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その疲れやすさの原因、もしかして隠れ栄養失調?

一日3食しっかり食べているのに栄養失調? 

……なんだか釈然としないのですが、どんな影響が体にあるのでしょうか? 

 

疲れやすい、風邪をひきやすい……隠れ栄養失調を疑っては?

最近、なんだか疲れやすいとか、よく風邪をひく、息切れがするなどの様子が見られたら、それはもしかしたら「隠れ栄養失調」かもしれません。

 

食事を抜くことなく1日3回、キチンと食べているつもりでも、その内容は炭水化物がメインという人って、けっこういるようです。

たとえば親子丼とかけそばといった、ごはんとめん類のセット食だったり、ハンバーガーとか菓子パンですませたりといった偏った食事内容だったりしませんか?

 

隠れ栄養失調の場合、摂取カロリーは十分なのに、タンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足している状態といわれます。

 

タンパク質は筋肉や臓器をつくる材料といわれているし、免疫を高めてくれるとも。赤血球の中のヘモグロビンの材料でもあるようです。

 

つまり、タンパク質不足により、筋肉が減って肥満になったり、免疫機能の低下によって風邪をひきやすくなったり、貧血の原因にもなってしまうというのです。

 

ミネラル不足が心筋梗塞を招くことも

ビタミンはどうでしょうか?

日本人に不足気味なのは、ビタミンAとビタミンB1といわれています。これらが不足するとどうなるのでしょう。
 

ビタミンAが不足すると夜盲症(いわゆる「とりめ」)を起こしやすくなったり、皮膚がかさついたりといったことがみられるようです。

ビタミンB1の不足から、疲れやすい、集中力が続かないといった傾向も見られるようです。

 

また、ミネラルにはマグネシウムやカルシウムなどがあります。マグネシウムが不足すると狭心症や心筋梗塞になりやすいといわれています。

 

カルシウムは骨の形成に大きくかかわっているので、不足すると骨がもろくなり、骨粗鬆症のリスクが高まると指摘されています。

 

自分の体は自分が食べたものでできている

隠れ栄養失調を放置するとどうなるのでしょうか? 風邪などの感染症にかかりやすくなるのはもちろんですが、がんや心臓疾患にかかりやすくなる、疲れやすく、気持ちが沈みがち、イライラが続く……といった体や心への影響があるといわれています。

 

隠れ栄養失調対策に特効薬はありません。

結局、栄養バランスのとれた食事ということになります。

 

おなかがいっぱいになればいい、太るからごはんは食べない、お菓子が食事代わり、カップ麺で十分……など、食に無関心といった印象の人、めずらしくないですよね。

 

「自分の体は自分が食べたものでできている」ってこと、あらためて考えていきましょう!

 

 

<参考URL>

*「新型栄養失調って何?」(オムロン(株))

http://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/171.html

*「新型栄養失調を予防しよう」(東京都北区HP)

https://www.city.kita.tokyo.jp/k-suishin/kenko/koresha/kenko/shingata-yobo.html

*「高齢者を襲う『新型栄養失調』三食しっかり食べているのに低栄養のワケ」(ZAKZAK by夕刊フジ)

http://www.zakzak.co.jp/eco/news/170927/eco1709270006-n1.html

*「あなたの貧血度チェック」(小林製薬(株))

https://www.kobayashi.co.jp/brand/faichi/checksheet/

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。