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人間の健康に被害を及ぼすかもしれない生き物とは?

ヒアリ騒動がまだまだ続いているようです。

漢字で「火蟻」と書くらしいですが、文字からしていかにも猛暑の夏にふさわしい話題ではありました。

過去にもデング熱やジカ熱など、蚊が媒介するという病気がおおいに世間を騒がせました。

夏は多くの生物が活発になる時期ということで、健康に被害を及ぼすかもしれない馴染みの生き物について考えてみました。

 

蚊はもっとも人間の命を奪っている生き物?

「殺人アリ」などといわれ、大いに恐れられているヒアリ。

「アメリカでは毎年100人以上が死亡」など、かなりセンセーショナルに報道されているようですが、実態は意外なことに、それほど大騒ぎするほどのこともないのではないか? といった報道も一部にはあるようです。

とはいっても厳重に注意しなくてはいけないことは間違いないですね。

 

今回のヒアリに限らず、私たちのまわりには健康に被害を及ぼす可能性のある生き物たちが数多く生息しています。

もっとも身近な例では蚊がいますよね。

いちばん目にするのはヒトスジシマカという蚊。

黒白の縞模様が特徴で、いわゆるヤブ蚊と呼ばれている蚊のことです。

 

かつて「ニッポンの夏、●○●の夏……」などといったテレビCMのキャッチコピーもあったり、いまでもこの季節になると蚊とり線香などの宣伝が頻繁にテレビで流されるので、蚊に刺されるのは日本の夏の風物詩のように思ってしまいますが、そんなロマンチックなものではありませんよね。

 

じつは蚊は「世界で多くの人間の命を奪った生き物」の第1位なのだそうです。

日本の伝統的蚊除けの傑作ともいえる「蚊帳」はアフリカのマラリア対策で大活躍しているとも聞きます。

 

蚊に刺されないために、蚊に刺されたら?

デング熱も今年に入ってから東京都内だけでも30人近い人がデング熱に感染しているようだし、まだ完全に収束しているわけではなさそう……。

テレビの報道は終息しているようだけれども……。

 

外出時は虫よけスプレーを使用するか携帯して、蚊を寄せ付けない注意が必要ですね。

また帰宅時は衣服に蚊がついていないかも点検したほうがよさそうです。

 

蚊に刺されたらかきこわさないようにするのも大事らしいです。

トビヒになるとやっかいそうです。

虫さされ用の薬を塗ったりする以外に、刺されたところを冷やしたりするのもかゆみを防ぐのに効果的らしいです。

 

ちなみに逃げようとする蚊を手でたたいて退治するときは、左右から手で「パン!」と挟み撃ちするよりは、上下に「パン!」とたたくほうが蚊を退治しやすいそうです。

蚊は横にではなく、上下に動くらしいのです。

 

ハチ刺されにオシッコは無意味、口で毒を吸い出すも危険?

蚊以外ではハチも刺されると怖い生き物です。

多くのハチは益虫といわれ、農作物などにつく害虫を食べてくれるありがたい存在です。

ただ毎年30件ほどの死亡例があるとされるスズメバチは、攻撃性が強く、アシナガバチと同様、注意したいハチかもしれません。

といってもむやみに巣に近づいたり、過剰に怖がってハチを追い払おうとしなければ刺すこともないようです。

あまり神経質にならないのがいいのかもしれません。

 

それでも運悪くハチに刺されたらどうするか? 

民間療法にある「おしっこをかける」はまったく意味がないといわれています。

すぐに刺された場所を指や爪で強く圧迫して毒を絞り出すことだそうです。

口で吸い出そうとすると誤って毒を飲み込むおそれがあるそうですから止めたほうがよいです。

そのあとは流水で洗って病院へ行きましょう。

 

その他、人間に害を及ぼすかもしれない身近な生き物として、ヘビや毒蛾(ドクガ)、カミツキガメ、大きいものではクマやイノシシなどいますが、そうした生き物よりもっと怖いものは何か?

……悲しいことですが、人間だそうで、「世界で多くの人間の命を奪った生き物」の中では蚊に次いで第2位だそうです。

……なんといったらいいんでしょうねえ……。

 

 

<参考資料>

*「有害生物の基礎知識〜季刊むさしの・夏号」(武蔵野市)

 

<参考URL>

*「死者100人!? ヒアリは本当に“殺人アリ”なのか?(週刊アエラ/朝日新聞出版)

https://dot.asahi.com/aera/2017070300079.html

 

*「デング熱の流行状況(東京都2017年)」(東京都感染症情報センター)

http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/dengue/dengue/

 

*「世界で多くの人間の命を奪った生き物」(The World,s Deadliest Animals)

https://www.statista.com/chart/2203/the-worlds-deadliest-animals/

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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