プラスコラム
PLUS COLUMN

飲み残しのペットボトルは雑菌だらけ!?

これからの季節、水分補給は携帯に便利なペットボトルが欠かせません。でも飲みきれなかったペットボトル飲料、みなさんはどうしていますか?
え? もったいないから翌日も飲んでいる? ・・知りたくなかったかもしれませんが、一度口をつけた飲み残しのペットボトルには細菌がウヨウヨ増殖しているんです。

 

口をつけたペットボトルの中では細菌がどんどん増えている

食事をしながら、ペットボトル飲料をゴクリ。外出時にはペットボトル飲料をちょっと飲んではフタをして、また飲んで水分補給……よくあるシーンです が、そのたびに、口の中の食べかすや細菌がペットボトル飲料に混入し、時間がたつとペットボトルの中で爆発的に細菌が増えてしまうといいます。
 

たとえば過去にあるテレビ番組が行ったこんなデータがあります。
ミネラルウォーター、緑茶、カフェオレ、スポーツドリンクなど4種類のペットボトル飲料を用意して、口をつけた直後と、飲み残しを常温で放置して24時間たったときの細菌の増殖数を調べました。

もっとも細菌数が増えたのがカフェオレで24時間後には、口をつけた直後に調べた細菌数のおよそ2万倍に増殖!
次に多かったのがスポーツドリンクで、1,600倍に。ミネラルウォーターは60倍、緑茶は30倍と、数値は少なくてもしっかり細菌が増殖していることがわかりました。

高温多湿を好む菌にとって、ふたをしたままのボトルの中は最高の環境。とくに糖分の入った飲料は細菌のかっこうの栄養源。あっという間に細菌が大量増殖してしまうというわけです。
 

早めに飲みきるのがポイント。水筒替わりの再利用もNG

梅雨から夏にかけては、細菌の繁殖が活発になります。一度口をつけたペットボトルは、早めに飲みきり、飲み残しは数時間たったら処分してしまったほうがよさそうです。
また、菌を増やさないためには、ペットボトルに直接口をつけないことが大事。家庭や職場では、コップに入れて飲む習慣をつけましょう。
 

なお、エコの観点から、ペットボトルを再利用して水筒替わりに持ち歩いている人もいますが、水でゆすいだくらいではペットボトルの口についた細菌は取れません。ペットボトルを水筒替わりに使うのはNGと心得ましょう。  
 

飲み残しのペットボトルで破裂事故も!

ところで、飲み残しのペットボトルについてはもうひとつ注意したいことがあります。それが飲み残しのペットボトルの破裂事故。
国民生活セン ターに寄せられた事例によると、飲み残して放置していた炭酸飲料入りペットボトルが破裂して大けがする事故があるそうです。飲み残しに混入した菌が増殖。 そのときに炭酸ガスを発生させるために、密閉されたボトルの中の圧力が高まって、破裂事故が起きたということです。炎天下に駐車した車の中や真夏の室内な ど、温度が高い環境ではではとくに注意が必要といいます。
便利なペットボトルが”身近な危険物“にならないよう、ペットボトルとは上手に付き合っていきたいですね。

 

<参考URL>
●TBS系テレビ番組「この差って何ですか?」(2015年6月7日放送分)
http://www.tbs.co.jp/konosa/

●食品安全委員会「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等について
https://www.fsc.go.jp/dial/qa1508_qa_4.html

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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