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「睡眠時間のこだわり」が不眠を悪化させる

明日は朝一番で大切な会議があるのに、なぜか眠れない。「早く寝なくては」、とあせればあせるほど眠れなくてモンモンとした経験はありませんか? 
今回は「自分に合った睡眠時間」のお話です。

 

「眠れなくてもジタバタしない」が不眠のときの最良策

不眠はつらいですね。なかなか寝付けないときに、つい時計を見てしまうと「あと○時間しか眠れない」とよけいにジリジリしてしまいますよね。
「睡眠は最低でも8時間は必要」と思っている人が多いようですが、睡眠時間にこだわると、それが大きなプレッシャーとなってリラックスできません。「私は○時間寝ないとダメ」というこだわりが、逆に睡眠を妨げると専門家は指摘します。
 

日本には昔から「8時間睡眠神話」がありますが、この説には医学的な根拠はないといいます。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針 2014」によると、「日本人の睡眠時間は6時間以上8時間未満の人がおよそ6割を占めている」とのこと。睡眠時間は季節や年齢によっても変わるのだそう です。また、必要な睡眠時間については「個人差はあるものの6 時間以上 8 時間未満のあたりにあると考えるのが妥当」としています。
睡眠不足かどうかは、睡眠時間で判断するよりも日中に眠気があるか、疲れやすいかといったことで考えるのが実際的なようです。
 

また、「指針」では「眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くするので、眠くなってから寝床につくこと」「寝床についても眠れないときは、いったん寝床を出て、リラックスする音楽などを聞いて、眠気を覚えてから、再度寝床に就く」ことなどをすすめています。
「眠らなくちゃ、眠らなくちゃ」とジタバタせずに、「こうなったら、眠くなるまで起きていよう」「寝不足は、明日昼寝して取り返す」くらいのおおらかな気持ちでいたほうがよいようです。
 

あなたはショートスリーパー? それともロングスリーパー?

ところで、睡眠時間は個人差が大きいものですが、睡眠時間が6時間以内でも健康を保っている人をショートスリーパー、反対に9時間以上の人をロングスリーパーというのだそうです。
 

ちなみに、ショートスリーパーで知られている歴史的人物の代表はナポレオン皇帝。平均睡眠時間は約3時間だったという説があります。また、発明王の エジソンも短眠者だったといわれています。現代に目を向けると、イギリスの元首相マーガレット・サッチャーが有名で、睡眠時間4時間でハードな執務をこな していたとか。ほかにもマイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツや、ぐっと身近なところでは、明石家さんまも短眠者で知られています。
 

一方、ロングスリーパーの代表格は天才物理学者のアインシュタインで、睡眠時間は1日10時間。またノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんも睡眠時間が1日11時間と大変なロングスリーパーなのだそうです。

あなたは、ロングスリーパーですか? それともショートスリーパーですか? いずれにしても、朝すっきりと起きられる自分にあったいい睡眠がとれているといいですね。
 

 

<参考URL>
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042749.html

・「くらしのメモ帳」[睡眠] ショートスリーパー(短眠者)の割合と有名人・芸能人
http://kurashinomemo.com/?p=443

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。