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温泉健康づくり(2)肌にやさしい温泉の入り方

山々が美しく色づいて、紅葉シーズンたけなわですね。この時期は温泉へ旅行する人も多いでしょう。温泉の正しい入浴法に続いて、今回はお肌にやさしい温泉の入り方を紹介します。 
 

肌のうるおい続く入浴法

寒い日に、冷えたからだで露天風に直行。お湯にはいると熱さで手足がジンジンするけれど、しだいにからだがジンワリとあたたまってくる――これからの季節の露天風呂は、外の寒さとお湯の熱さのギャップが心地よくホッとする瞬間ですね。

でも、実は「冷えたからだでお湯にドボン」は、大変に危険であることをご存知でしたか? 熱いお湯に急につかることによって血圧が急上昇して、血管 に大きな負担がかり、脳出血や心臓発作が起こりやすくなるからです。旅行中の日本人の死因でもっとも多いのは心筋梗塞と脳卒中だといわれていますから、と くに血圧が高い人や高齢者、動脈硬化がある人などは注意が必要です。
 

(1)熱めのお湯や長湯に注意を

冬はからだを温めるために長湯をしがちですが、肌がふやけるほどの長湯はしないこと。長くお湯につかれば、それだけ皮膚の水分保持に大事な働きをす る皮脂が溶け出して、肌の乾燥招きます。また、お湯の温度が高いほど皮脂が失われるといわれています。肌の乾燥を助長させないためには、長湯は避けて、あ まり熱くないお湯につかるのがポイントのようです。
 

(2)ゴシゴシ洗いはやめる

ゴシゴシ洗いはからだがさっぱりする感じがして気持ちがいいのですが、お肌にとってはNGです。それでなくても長湯や熱めのお湯や長湯で皮膚のバリ ア機能が損なわれているところに、タオルでゴシゴシからだをこすれば、角質や皮脂膜を傷ついてさらに肌の乾燥が進むことに……。からだを洗うときはタオル を使わないほうがよさそうです。石けんを十分に泡だてて、泡でなでるように手のひらで洗いましょう。

ところで、せっかく温泉に来たのだからたくさん入らないと損、と何回も入浴したくなってしまいますが、多すぎる入浴もからだに負担をかけ、湯あたり も発生しやすくなるそうです。温泉に来てグッタリなどということにならないよう、入浴は多くても1日2~3回程度にとどめておいたほうがよさそうです。
 

(3)入浴直後にすぐ保湿

スキンケアは、部屋に帰ってからゆっくりやるという人も多いはず。でも、入浴後は肌から水分がどんどん逃げていくので、要注意。専門家によると入浴 後は入浴前よりも乾燥しやすい状態のお肌になっているそうです。保湿ケアは、入浴直後、お肌がしっとりしているうちに行うことをおすすめします。
肌にやさしい入浴法で肌のうるおいをキープしましょう。
 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。