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温泉健康づくり(1)あなたの「あの行為」が温泉事故の原因に

日本人は大の温泉好き。ある調査によると、平成24年度の全国の年間温泉の宿泊者数はのべ1億2,000万人。2015年1月の人口動態調査によると、国内の日本人の人口は1億2,616万3,576人ですから、ほぼ日本の人口に相当する宿泊者がいたということになります。
 

癒し効果はもちろん、最近では健康増進や病気予防のための「代替医療」としても見直されつつある温泉。いいことづくめの温泉ですが、正しく入浴しないと、危険を招くこともあるので、要注意。温泉での入浴事故は、高齢者が起こすものと思われがちですが、若い人でも安心はできません。
 

冷えたからだで温泉にドボンは、超危険な行為

寒い日に、冷えたからだで露天風に直行。お湯にはいると熱さで手足がジンジンするけれど、しだいにからだがジンワリとあたたまってくる――これからの季節の露天風呂は、外の寒さとお湯の熱さのギャップが心地よくホッとする瞬間ですね。
 

でも、実は「冷えたからだでお湯にドボン」は、大変に危険であることをご存知でしたか? 熱いお湯に急につかることによって血圧が急上昇して、血管に大きな負担がかり、脳出血や心臓発作が起こりやすくなるからです。旅行中の日本人の死因でもっとも多いのは心筋梗塞と脳卒中だといわれていますから、とくに血圧が高い人や高齢者、動脈硬化がある人などは注意が必要です。
 

「入浴前のかけ湯」、「頭の上にタオル」には、こんな効用が・・・

こうした事故を起こさないためには、ますはお湯の温度にからだを慣らすこと。そのためには、温泉に入る前に十分なかけ湯をすることが大事です。
かけ湯は手・足など心臓から離れた場所から行って、ついで腰やおなか、肩から背に向けてかけ湯をしていくとよいといわれています。

また、高血圧や高齢者などは、頭に「かぶり湯」をして、あらかじめ頭の血管を広げておくことが脳出血の予防につながるそうです。

かけ湯はお湯を汚さないために行うマナーとされていますが、入浴中の事故防止にも大きな役割をはたしているのですね。

ちなみに、温泉に行くと頭の上にタオルをのせている人を必ず見かけますが、これにも意味があって、冬の露天風呂では、温かいタオルを頭にのせることで頭の保温に、夏はのぼせ防止に冷たいタオルをのせておくとよいそうです。
 

 入浴は、多くても1日2~3回

そのほか、入浴事故を予防するには、酔ったまま温泉に直行しないことも大事です。また、食後すぐに入浴すると消化・吸収が悪くなるので、食後は1時間ほど時間をおいてから入浴したほうがよさそうです。

ところで、せっかく温泉に来たのだからたくさん入らないと損、と何回も入浴したくなってしまいますが、多すぎる入浴もからだに負担をかけ、湯あたりも発生しやすくなるそうです。温泉に来てグッタリなどということにならないよう、入浴は多くても1日2~3回程度にとどめておいたほうがよさそうです。
 

次回は、温泉の効能を100%生かす温泉の入り方を紹介します。

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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