プラスコラム
PLUS COLUMN

便秘をひどくしているのは、間違った食物繊維の摂り方が原因かも!?

便秘解消の方法といえば、まず思い浮かぶのは、食物繊維をたっぷり摂るということ。たしかに、食物繊維は便秘解消に役立ちますが、間違った摂り方をしていると、逆効果になることも。あなたの食物繊維の摂り方、ちょっと見直してみませんか?

 

2種類の食物繊維ご存知ですか?

便秘改善に役立つ食物繊維ですが、食物繊維には水に溶ける水溶性と水に溶けない不溶性の2種類があって、それぞれ働きが違うことをご存知でしたか?

(1) 水溶性食物繊維

コンブやメカブ、寒天、里芋、コンニャクなどヌルヌル、ネバネバが水溶性の食物繊維です。水に溶けて食品の水分を抱き込み、ゲル状(ゼリーのような状態)にして、腸の中の便をやわらかく、滑りやすくします。

 

■主な働き

      • 便をやわらかく、滑りやすくする。
      • 腸内で発酵・分解することで善玉菌を増やす。
      • 糖分やコレステロールの吸収を抑えるので、糖尿病や動脈硬化など生活習慣病の予防効果が期待できる。
      •  

■多く含む食品

      • 海藻類(コンブ、ワカメ、モズク、メカブ、ヒジキなど)、リンゴ、キウイフルーツ、干し柿、コンニャク、寒天 など。

(2) 不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、水に溶けない食物繊維で、豆類や穀類、ゴボウやブロッコリーなどの野菜に多く含まれています。腸の中では水分を吸収してふくらみ便のカサを増やす作用があり、便が大きくふくらむことで、腸のぜん動作用が活発になります。

 

■主な働き

      • 便の量を増やし、腸のぜん動作用を活発にする。
      • 胃の中で膨張し、満腹感をもたらす。
      • 腸内の有害物質を吸着・排泄する。
      •  

■多く含む食品

      • 大豆、インゲン豆、ヒヨコ豆など豆類、玄米、ハト麦などの穀類、ゴボウ、ブロッコリー、オクラなど野菜類。 

         

食物繊維は、さまざまな食材からバランスよく摂るのが効果的

それぞれ働きが違う2つの食物繊維は、バランスよく摂るのがポイントです。たとえば、不溶性食物繊維は水分を含まないという特徴をもっているので、 不溶性ばかり摂取して水分を十分にとっていないと便がカチカチになってしまうことも。また、おなかがゴロゴロなったり便秘と下痢を繰り返すようなタイプの 人は、不溶性食物繊維は腸でガスを発生させてお腹を張らせたり、便のカサを増して詰まらせる場合があるので注意しましょう。

食物繊維は、いろいろな食品から水溶性と不溶性をまんべんなく摂っていくことが大事です。

ところで、食物繊維たっぷりの食事といえば、生野菜サラダを思い浮かべがちですが、トマトやきゅうり、レタスなど生で食べられる野菜は概して食物繊維が少なめです。山もりの野菜サラダを食べても、たいした量は摂れないようです。

野菜は生で食べるよりも加熱してカサを減らして摂ることをおすすめします。蒸したり、いためたり、また具だくさんのスープやみそ汁にすると、2つの食物繊維をたっぷり摂ることができます。 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。