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PLUS COLUMN

疲れの漢方 1

緑の葉っぱがきらきらと光ってきました。
季節が春から初夏へ動く通り道です。
だから、まるで夏のように暑い日があるかと思えば、朝晩の涼しさに上着を1枚多くはおる日もあり、からだのバランスが取れないこのごろですね。

 

こんな時期はななんだか疲れが取れず、「あ~疲れたぁ」 「もう、何もできない」 「何にもしてないのに疲れる」「遊びにもいけないくらい。へとへと・・・」 こんな方が増えてきます。

疲れが抜けない世の中です。
 

いつもいつも元気でいたい。疲れないからだがほしい。でも、たくさん仕事をしたら疲れてあたりまえ。体は正直。いつもサインを送ってくれています。
早めに体からのサインに気づき、自分に合った漢方でケアしてあげることでちょっとくらいなら疲れにくく、一晩ぐっすり眠ったら疲れがとれている。そんな体をつくりましょう。

漢方的に考える「疲れ」は大きく分けて下の3パターンになります。
 

げっそりタイプ <気虚(ききょ)・脾虚(ひきょ)タイプ>

■症状

疲れやすく、疲れることをしなくてもくたびれる
何をするのも面倒。すぐに眠くなる、特に食べた後
言葉に力がなく、大きな声が出ない
胃腸の働きが弱く、消化吸収が悪い(もたれる・吐き気・食欲不振・おいし いと感じない・食べる気がしない・あるいはドカ食い・下痢・軟便・あるいは便秘)

■原因

病後、産後、慢性病、肉体的・精神的な疲労などによる衰弱。そのため「氣」という生命エネルギーがとぼしくなり、本来持っている元氣がなくなってしまいます。また、食べたものや飲んだものを「血」や「氣」というエネルギーに変える力がなくなります。これは消化吸収機能の悪い状態で、漢方で「脾」の力が落ちている状態と考えます。(脾虚(ひきょ))
 

ばったりタイプ  <血虚(けっきょ)タイプ> 

■症状

顔色が青白い・唇や舌の色が白っぽい。
冷えやすく、めまい、立ちくらみがしやすい。皮膚が乾燥しやすく、荒れやすい
毛髪がぬけやすく、切れやすい。爪が割れやすい。
物忘れしやすい。寝つきが悪い、眠りが浅い
月経が遅れたり、出血量が少ない または無月経。胸やおなかで動悸がする

■原因

貧血傾向(必ずしも血液検査でヘモグロビンに異常があると限らない)
胃潰瘍・痔・子宮筋腫などの出血により血液の不足でパワー不足に。
 

ぐったりタイプ <水毒(すいどく)タイプ>

■症状

全身がだるい、特に下半身・足のだるさが気になる
むくみやすい
何もやる気になれない、面倒くさい。 耳鳴り、めまい、頭痛がおきやすい
ちょっと動いただけですぐに汗をかく、食事をしてもかきやすい
梅雨時は特に疲れやすい
舌の苔があつい。

■原因

冷たいものの飲みすぎ、食べすぎで体に余分な水分がたまり、水(体液)の流れが悪くなる。それと連動し血の流れ・氣の流れも悪くなり体全体のエネルギーが落ちて疲れやすくなります。
冷房による体の冷え、運動不足も体にいらない水を溜め込む原因になります。
 

あなたはどのタイプですか?
これからの梅雨の時期は特にぐったりタイプの方が増えてくると思います。
このタイプの方はとにかく「水」と「湿気」に注意。一気に冷たいものを飲んだりしないでくださいね。
まずは自分のタイプを知りましょう。
原因を知るだけでも違ってきます。

そして、次回はそれぞれの対処法をお伝えいたします!
しあわせになるための漢方を!

プロフィール

樫出 恒代
(かしで ひさよ)
樫出 恒代

日本生薬学会・漢方生薬認定薬剤師・漢方アドバイザー
「漢方カウンセリングルームKaon」代表

新潟薬科大学薬学部卒業。自身の体調不良を機に漢方に目覚め、漢方を古典から学び、アロマテラピーを独学で習得。漢方薬とアロマテラピーの融合により、より良い治療または予防ができると確信。1人ひとりのこころとからだにていねいに向き合うことをモットーに、現在、「ジュノ ウィミンズウェルネス銀座産院・健康院」内の漢方カウンセリングルームKaonで漢方カウンセリングと、オリジナルのバイタルフットヒーリングによるケアもおこなっている。
よりたくさんの方に漢方の良さを伝え、元気な毎日を送ってもらうための活動として、東京・新潟などでセミナーを行なっている。美容家吉川千明氏との共著に「内側からキレイを引き出す 美肌漢方塾」(小学館)

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