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更年期は幸年期、第2の思春期楽しもう!

少しずつ、春めいてまいりました。花柄やうすい色の洋服がとってもきれいで コートの黒い色が重く感じるこのごろです。

 

前回は「生理は女性の通信簿」.

生理が女性のからだの様々なサインを教えてくれる通信簿のようなものですよという事をお伝えいたしました。今回は通信簿が来なくなって「卒業」をむかえてからのお話です。


生理が来なくなるのは「閉経」といいますね。1年間、生理が来ないと「閉経」といえます。更年期は閉経前後の45~55歳くらいの間をいいます。卵巣機能の衰えによって女性ホルモンの分泌が急に減ってくるときです。
大きく女性ホルモンが変化する時期という意味では、思春期と同じ。
ホルモンが変化すればどんな人でも多少なりと、心と体に変化や不調がでてくるものは、しかたのないことです。
更年期というのはどんな女性でも必ず迎える人生の通過点です。
この更年期をやだな~と思わず、新しい人生の幕開けと考え
今までよりもっと自分らしく豊かに生きられるよう漢方薬と漢方の考え方を味方にしてください。

 

漢方で老化をゆっくり

ポイントは・・・

1.「腎(じん)」の力を味方につける!

漢方では35歳くらいから「腎」のエネルギーが落ちてくるといわれています。
漢方でいう「腎」とは「腎臓」よりもっと大きい意味でとらえ、気という生命エネルギーの貯蔵庫といわれているところ。
この力がなくなれば、生命を維持する力がなくなること、つまり老化が早まるということになります。
「腎」は女性ホルモンの分泌をつかさどるので、生理周期が狂ったり、更年期障害が出やすくなったりします。また、「腎」は冷えや不安などのストレスに弱いので、体を冷やす生活やストレスフルな生活を続けていると、ますます「腎」のパワーが落ちていきます。
自分で老化を早めることになるのです。

「腎」のパワーを上げるには

  1. 早寝(12時前には寝る)
  2. 黒いものを食べる(黒豆・海草・昆布・ごまなど)
  3. からだとこころを冷やさない
  4.  

2.瘀血(おけつ)(どろどろ血液)を解消する

35歳を過ぎる頃から瘀血がひどくなる傾向があります。
瘀血とは血液がどろどろしているということ。血流が悪くなり、全身に巡らなくなっていきます。
漢方では瘀血を万病の元といい、肩こり、腰痛、生理痛などの痛み、生理不順、肌荒れ、特に、イライラやホットフラッシュなどの更年期障害の原因になります。
プレ更年期のうちにこの瘀血を取り除くことがとても大切なんですよ。

「瘀血」を防ぐには

  1. 肉・味の濃いもの・冷たいものを摂りすぎない
  2. ストレスはあってあたり前、でもためない
  3. そして、なにより自分らしく。生理を卒業した自分を、この世で一番大切な自分を、 愛することからはじめてください。


心豊かな幸年期をすごしましょう。

おすすめの漢方薬もあげました。
(漢方薬に詳しい医師・漢方薬剤師にご相談の上服用くださいね。)

 

●疲れやすく、手足がほてる、尿が近く1日8回以上、あるいは3回以下、残尿感、耳鳴り、むくみ、足のしびれなど 
 ⇒六味丸(ろくみがん)

 

  1. ●元気がなく疲れやすい、食欲不振、手足がだるい、貧血、寝汗、へその辺りに動悸を感じるなど 

 ⇒補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

 

●冷え、のぼせがあり、瘀血体質、ホットフラッシュ、肩こり、めまい、頭重、しみ、生理不順、生理痛など 
 ⇒桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

 

  1. ●疲れやすく、肩こり、頭痛、めまい、不眠、イライラ、便秘気味、生理不順、 瘀血体質など 
     ⇒加味逍遥散(かみしょうようさん)

プロフィール

樫出 恒代
(かしで ひさよ)
樫出 恒代

日本生薬学会・漢方生薬認定薬剤師・漢方アドバイザー
「漢方カウンセリングルームKaon」代表

新潟薬科大学薬学部卒業。自身の体調不良を機に漢方に目覚め、漢方を古典から学び、アロマテラピーを独学で習得。漢方薬とアロマテラピーの融合により、より良い治療または予防ができると確信。1人ひとりのこころとからだにていねいに向き合うことをモットーに、現在、「ジュノ ウィミンズウェルネス銀座産院・健康院」内の漢方カウンセリングルームKaonで漢方カウンセリングと、オリジナルのバイタルフットヒーリングによるケアもおこなっている。
よりたくさんの方に漢方の良さを伝え、元気な毎日を送ってもらうための活動として、東京・新潟などでセミナーを行なっている。美容家吉川千明氏との共著に「内側からキレイを引き出す 美肌漢方塾」(小学館)

blog 漢方ひっち