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ブームの「サウナ」上手な付き合い方は?

「ととのう」という言葉とともに、サウナを楽しむ人が増えています。気持ちよく汗をかけるサウナですが、入り方を誤ると体に負担がかかりかねません。今回は、サウナと健康の上手な付き合い方を考えてみたいと思います。

 

「ととのう」とき、体では何が起きている?

サウナに入ると、高温の刺激で自律神経の一つ「交感神経」が活発になり、心拍数が上がります。同時に、温熱の作用で血管が広がるため、サウナを出たあとには血圧が下がりやすい状態です。

 

その後は、休息をつかさどる「副交感神経」が優位になり、心身がほぐれていきます。自律神経を車にたとえると、「アクセル」と「ブレーキ」が切りかわるようなイメージです。この移り変わりが、いわゆる「ととのう」と呼ばれる状態だと考えられています。

 

温まったあとの水風呂には、ほてった体を冷ます働きがあります。ただし冷たい水の刺激で血管は縮み、血圧は反対に上がるのが特徴です。健康な人であれば、この拡張と収縮のくり返しが血管のはたらきを保つのに役立つともいわれています。

 

サウナで期待できること

サウナには、心身にうれしい働きが期待されています。温熱で血管が広がると血のめぐりがよくなり、汗とともに気分もすっきりしやすいでしょう。

 

交感神経と副交感神経が切りかわることで緊張がほぐれ、寝つきがよくなるともいわれています。ただし、入った直後は体がほてって寝つきにくいため、体温が落ち着いてから床に就くのがおすすめです。

 

海外では、定期的なサウナ浴の習慣と、高血圧や心臓・血管の病気のリスク低下との関連を示した研究報告もあります。こうした心地よさや働きは大きな魅力ですが、効果を求めて無理に長く入るのは禁物です。あくまで気持ちよいと感じる範囲で楽しむことが、健康的な付き合い方の基本といえるでしょう。

 

見落としがちな「脱水」に要注意

サウナの大きな魅力は、たっぷり汗をかけることです。一方で、汗をかいた分だけ体の水分は失われていきます。

 

水分が減ると血液が濃くなり、固まりやすくなるといわれています。これが血管を詰まらせ、脳梗塞や心筋梗塞につながることもあるため、油断はできません。

 

サウナの前後には、こまめに水分をとりましょう。入浴中は想像以上に汗をかくとされ、入る前と後に少なくともコップ1杯分ずつは補っておきたいところです。飲み物は水や麦茶が向いており、糖分の多いジュースは控えめにするとよいとされています。

 

なお、サウナ上がりのビールを楽しみにしている人もいるでしょう。しかし、アルコールには水分を体の外へ出す働きがあるため、水分補給の代わりにはなりません。お酒を飲んだあとのサウナは脱水を進めるため、避けるのが安心です。

 

「のぼせ」や「立ちくらみ」を防ぐには

サウナの中で座ったり横になったりした状態から急に立ち上がると、血圧が下がっているために立ちくらみを感じることがあります。立つときは、ゆっくりと、手すりにつかまるようにしましょう。

 

また、汗をかこうと長く我慢して入り続けると、頭がぼんやりしたり動悸がしたりする「湯疲れ」の状態になる場合があります。サウナ室にいる時間は、温度にもよりますが、汗をかく程度の8~10分以内が目安とされています。心地よいと感じる範囲で切り上げることが大切です。

 

水風呂に入る前にかけ湯をすると、血圧の急な上昇をやわらげる助けになるとされています。水風呂につかる時間も1~2分ほどが目安です。心臓が気になる人は、首までつからず、みぞおちあたりまでの半身浴やシャワーにとどめるのもよいでしょう。

 

こんな人は、無理をせずに

心臓のはたらきが弱っている人や高齢の人、妊娠中の人は、高温のサウナと水風呂を交互にくり返す入り方は体への負担が大きくなりがちです。狭心症や心筋梗塞、脳卒中を経験した人も、入ってよいかどうかを主治医に相談してから楽しみましょう。

 

持病のない人でも、寝不足や疲れがたまっているとき、熱があるなど体調がすぐれないときは、無理せず見送るのが安心です。

 

血圧が高いまま治療をしていない人も、控えておきたいところです。なお、サウナには80~100℃前後の高温タイプのほか、40~60℃前後の低温タイプもあります。体への負担が心配な人は、主治医に相談のうえ、低温タイプを選ぶとよいでしょう。

 

サウナの基本は「体を洗う→サウナ→水風呂→休憩」の流れを、ゆったりくり返すことです。最初に体を洗っておけば、体が温まって汗をかきやすくなるのも利点です。水風呂のあとは、いすなどで5分から10分ほど休むと、血圧の変化に体が対応しやすいとされています。

 

「過ぎたるは及ばざるがごとし」のことわざのとおり、我慢や競争はせず、自分の体調と相談しながら楽しみましょう。

 

<参考>

※「サウナ浴での事故に注意 ― 体調に合わせて無理せず安全に ―」(消費者庁)

※「サウナー必見! サウナのメリット、デメリットとは」(カンタン健康生活習慣/サワイ健康推進課・沢井製薬)

※「サウナが体に悪いって本当? 注意点や効果、正しいサウナの入り方を紹介」(Reライフ/朝日新聞)

※「『サウナ』で『血圧』も“ととのう”? 注意点と健康的な楽しみ方を医師が解説!」(メディカルドック/循環器専門医監修)

※「脱水症」(健康長寿ネット/長寿科学振興財団)

 

プロフィール

医療ライター/登録販売者
岡本 美紗子

*調剤薬局で医療事務として15年間勤務し、処方箋やレセプトの業務、OTC医薬品の販売に携わる。

*2017年に登録販売者を取得。

*現在はWebライターとして、医療・健康・保険分野を中心に執筆。

*現場での経験を活かし、専門的な内容を日々の暮らしに役立つ形でわかりやすくご提供。