カルシウムだけじゃダメ? 健康な骨を育む栄養のお話
骨の健康といえば「カルシウム」が思い浮かびますが、実はそれだけでは「折れにくい骨」をつくるのは難しいといわれています。
しなやかで強い骨をつくるために、あわせて摂りたい大切な栄養素をご紹介します。
骨は「コラーゲン」と「カルシウム」でできている
骨は、タンパク質の一種であるコラーゲンと、カルシウムなどのミネラルから構成されています。
骨の構造はよく“鉄筋コンクリート”にたとえられますが、鉄筋にあたるのがコラーゲン、コンクリートにあたるのがカルシウムです。
つまり、骨のしなやかさや強度(骨質)を保つにはコラーゲンが、骨の硬さ(骨密度)を保つにはカルシウムがそれぞれ必要とされています。
骨の健康は、この2つがそろって初めて保たれるといわれています。
「コラーゲンをつくる力」を支える栄養素が重要
コラーゲンが多い食材といえば、ゼラチン、鶏皮、豚足などが有名です。しかし、食べたコラーゲンがそのまま骨のコラーゲンになるわけではないようです。
体内ではいったんアミノ酸に分解され、必要に応じて再びコラーゲンとして合成されるといわれています。この“合成”のときに必要な栄養素が不足していると、コラーゲンの質が落ちてしまうこともあるそうです。
だからこそ、コラーゲンそのものを食べるよりも、「つくる力」を支える栄養素をしっかりとることが、骨質の維持につながると考えられています。
具体的には、コラーゲンの材料となるタンパク質や、合成を助けるビタミンC・鉄、代謝を支えるビタミンB群など、いくつかの栄養素がコラーゲンづくりを支える働きに関わるとされています。
これらをバランスよくとることが、骨のしなやかさを保つための土台づくりに役立つと考えられています。
カルシウムは“骨の材料”。不足しがちな栄養素
カルシウムは、骨の硬さをつくるための大切な材料とされています。
コラーゲンでできた骨組みに、カルシウムがしっかりと沈着することで丈夫な骨がつくられる仕組みです。
カルシウムを多く含む食品には、乳製品、大豆製品、小魚、青菜(小松菜など)があります。日本人は慢性的にカルシウムが不足しているといわれているため、日々の食事で積極的に取り入れたい栄養素です。
ビタミンDは“骨づくりの司令塔”
カルシウムと並んで欠かせないのが「ビタミンD」です。あまり知られていませんが、ビタミンDは骨づくり全体を支える“司令塔”のような存在だといわれています。
ビタミンDには、主に以下のような重要な働きがあるとされています。
・腸でのカルシウム吸収を高める(食事から摂ったカルシウムが体内に吸収されやすくなるといわれています)
・体内のカルシウム量を適切に保つ(必要なときに骨へ届けられるよう調整する役割があります)
・古い骨を入れ替えるサイクルを助ける(骨の新陳代謝をスムーズに保つサポートをします)
そのため、ビタミンDが不足すると、カルシウムをどれだけ摂っても骨は強くなりにくいと考えられています。「カルシウムとビタミンDはセットで摂ることが大切」といわれるのはこのためです。
ビタミンDは「食べる」+「日光」で
ビタミンDは、サケやカツオなどの魚類、干しシイタケ、キクラゲなどに多く含まれています。しかし、食事から摂れる量よりも、日光を浴びることで皮膚でつくられる量のほうが多いことが知られています。
とはいえ、紫外線対策が欠かせない毎日のなかで、紫外線対策を徹底すればするほど、体内でのビタミンDが生成されにくくなるという悩ましい側面もあります。
そのような背景からか、最近では「手のひらに短時間だけ日光をあてる」という方法も紹介されています。
日々の紫外線対策と上手にお付き合いしながら、食事や適度な日光浴を意識して、いつまでも健やかな骨をキープしていきましょう。
<参考>
※「骨の健康を守る生活習慣」(『栄養と料理』2021年9月号 女子栄養大学出版部)
※「カルシウムとビタミンDそれぞれの役割と“足りない理由”」『栄養と料理』2025年 6月号 女子栄養大学出版部)
※「骨粗しょう症『質』も大切(東京新聞/2026.4.7)
※「カルシウム摂り方」(公益財団法人 骨粗鬆症財団)
※「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(厚生労働省)





