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寝不足の原因は、「リベンジ夜更かし」?

毎日、ぐっすり眠れていますか? 朝、起きたときに、あまり体が休まった感じがしないのは、寝る前の行動に問題があるのかも。

寝不足は病気のリスクを高めるといいます。自分の睡眠行動をチェックしてみましょう。

 

「睡眠休養感」、とれていますか?

「睡眠休養感」というのを聞いたこと、ありますか? 聞きなれない言葉ですが、「睡眠休養感」とは、文字通り「朝、眠りから覚めたときに感じる、体が休まった感覚」のこと。「睡眠の質」を反映する指標といわれています。

「よい睡眠」というのは、単に睡眠時間を確保するだけではなく、同時に「睡眠の質」である「体が休まった感じ(睡眠休養感)」の両方ともに確保されていなければ十分とはいえないのだそうです。

健やかな「睡眠」は体に「休養」をもたらしてくれます。睡眠は休養と同義語といっていいかもしれません。

そんなことから「睡眠(休養)」は「運動」「食事(栄養)」とならんで「健康維持の3要素」といわれています。この3つのうちのどれが欠けても健康を維持することは困難です。

そんな大事な睡眠が「十分でない」「寝ても疲れが取れない」と感じている人が3割近くいるという厚生労働省の報告があります。

 

働き盛りの人に多い休養感が「ない」

『令和6年国民健康・栄養調査』によると、「睡眠で休養がまったくとれていない」「あまりとれていない」と回答した人の割合は、20~59歳では男性の26.4%、女性が27.6%と高い数値を示しています。逆に60歳以上はその約半分で男性が13.0%、女性が14.7%でした。

 とくに40代の男性、女性ともに「休養感がない」人の割合が高いのが目立ちます。男性の場合、「まったく」と「あまり」で30.0%、女性で28.4%と、ほぼ3割の人が睡眠休養感は「ない」と回答しています。

また、その前後の世代でも「とれていない」率は高く、30代では男性の26.2%、女性の27.9%が、50代では男性の25.2%、女性の28.3%が睡眠休養感は「ない」としています。働き盛りなどといわれる壮年期や中年期の3割近くが「朝、目覚めてもスッキリしない」「体が休まっていない」と感じる、こうした睡眠休養感の欠如に健康上の問題はないのでしょうか?

 

睡眠休養感が低い人の健康リスクとは?

 そもそもわたしたちはなぜ眠るのでしょうか。睡眠は体の疲労回復はもちろんですが、たとえば脳の中の老廃物を取り除いたり、記憶を整理したり、免疫力を向上させたり、自律神経やホルモンのバランスを調整して食欲や代謝に関与したり、傷ついた細胞の修復をしたりと、とても重要な役割を担っています。

単に「目をつむって寝るだけ」のことではありません。  

睡眠不足や睡眠の質の低下は、心身の健康を害するといわれます。たとえば代謝機能の低下によって肥満や糖尿病、脂質異常症を招いたり、さらには高血圧、心筋梗塞などの循環器疾患のほか、うつ病などの発症リスクになるといわれます。死亡リスクの増加との関連もいわれます。

 また、睡眠不足による注意力や集中力の低下は、仕事の効率の悪化、生産性の低下、事故にもつながりやすくなることが知られています。

 

寝不足の原因は「リベンジ夜更かし」?

 そんな今、話題になっているのが「リベンジ夜更かし」、もしくは「報復性夜更かし」とも呼ぶようです。

日中に仕事や家事などで忙しくて、自分の思う通りに過ごすことができず、その仕返しというか自分へのごほうびとして、夜、寝るのを後回しにして、自由に自分だけの時間を過ごす行為のことだそうです。文字通り「就寝時間の先延ばし」などとも呼ぶらしいです。

ゲームにSNS、ネットサーフィン、テレビ視聴などなど、何をやって夜の寝る前の自由な時間を過ごしているかは人それぞれでしょうが、スマホ依存が根底にあるといった専門家の意見もあるようです。

 自分だけの時間を過ごせて一時の満足感は得られても、夜更かしによる睡眠不足、睡眠休養感の低下は避けられそうもなく、肥満や高血圧などの生活習慣病のリスク、集中力の低下などによる仕事への影響も心配です。

 

「よい睡眠」のためには「どうする?」

 では睡眠時間はどのくらいが適正なのでしょう? 厚生労働省によれば、成人では「6時間以上が目安」としています。ただ適正な睡眠時間には個人差もあるので「6時間から8時間プラス1時間でも適正」としています。高齢者の場合は「床上時間(寝床に入っている時間)が8時間以上にならないように」ともいっています。

睡眠時間とともに、「質のよい睡眠」をとるには?……といっても目新しいことはありません。たとえば……

(1)「規則正しい生活」

(2)「適度な運動」

(3)「就寝2~3時間前の入浴」

(4)「日光を浴びる」

(5)「バランスのとれた食事と腹八分目」

(6)「夜食は避ける」

(7)「過度なカフェイン、飲酒、喫煙は避ける」

(8)「夜のパソコン、スマホ、ゲームは避ける」

(9)「ストレスを寝床に持ち込まない」

(10)「寝室は暗く、心地よい温度に」……など。

さらには、よくある「休日の寝だめ」。体内時計の混乱から健康を損ねる恐れがあるのでやめたほうがよさそうです。

「寝るのも仕事」と昔からいわれます。しっかりと睡眠力をつけましょう。

 

<参考>

*「健康づくりのための睡眠ガイド2023」「成人のためのGood Sleepガイド」(厚生労働省)

*「睡眠と健康の関係について」(国立健康長寿研究センター)

*「『リベンジ夜ふかし』をしてしまうメカニズムとその対処法」(ダイヤモンド・オンライン/2021.10.29)

*「健康維持の三要素、食事・睡眠・運動のポイントを解説!」(味の素株式会社)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。