女性に多い「膀胱炎」のお話
膀胱炎は、男性に比べて女性に多くみられるといわれています。
とくに暑い季節は体の水分が不足しやすく、症状が出やすい傾向があるようです。
「なんとなくトイレが近い」「排尿のときにしみる」——そんな違和感を覚えたことはありませんか。
女性に多い「急性膀胱炎」
膀胱炎は、膀胱の中に細菌が入り込み、炎症が起こることで発症すると考えられています。
いくつか種類がありますが、女性に多いのは「急性膀胱炎」と呼ばれるタイプ。20~40代にみられやすいとされていますが、閉経後の女性にも少なくないようです。
また、女性の約半数が一生のうちに一度は膀胱炎を経験するともいわれており、決して珍しい病気ではありません。
「私だけ…?」と不安になるかしれませんが、膀胱炎は誰にでも起こりうる身近な不調といえそうです。
なぜ女性は膀胱炎になりやすいの?
理由の1つとして、女性の体の構造があげられています。
女性は男性より尿道が短く、尿道口が腟や肛門に近いため、肛門周囲の細菌が膀胱に届きやすいと考えられています。そのため、日常のちょっとしたきっかけで膀胱炎が起こりやすいようです。
さらに、ホルモンの変化や生活リズムの乱れなど、女性特有の要因が重なることで、膀胱の抵抗力が揺らぎやすくなるともいわれています
日常の“ちょっとしたこと”が引き金に
また、疲れや寝不足が続くと免疫が下がり、細菌が増えやすくなるといわれています。
冷えは下半身の血流を悪くし、膀胱の働きに影響が出やすいとされます。
ストレスで自律神経が乱れると、膀胱や尿道の調整がうまくいかなくなることもあるようです。
性交後は尿道周りが刺激され、細菌が入り込みやすい状態になるとされています。
また生理中は経血による蒸れやpHの変化で、尿道周りに細菌が増えやすい環境になりやすいといわれています。
トイレをがまんする、水分不足で尿が少ない——-こうした状況も細菌が尿とともに流れにくくなる要因と考えられています。暑い季節に膀胱炎が増えるとされるのは、脱水で尿量が減りやすいためとされています。
妊娠中はホルモン変化や大きくなった子宮の圧迫で膀胱炎が発症しやすいともいわれています。
こんな症状に注意を
膀胱炎になると排尿時のツーンとした痛みやしみる感じ、残尿感、トイレが近くなる頻尿、尿のにごりやにおいの変化、血が混じることがあるとされています。
こうした症状をがまんしていると悪化につながる可能性があるといわれています。気になる症状があらわれたら、早めの受診が安心です。
専門の診療科は泌尿器科ですが、近くにない場合は内科や婦人科でも相談できるとされています。
また、38℃以上の発熱、寒気、背中や腰の痛みがある場合は、細菌が腎臓に及ぶ「急性腎盂腎炎(じんうじんえん)」の可能性があるといわれていますから、急いで受診しましょう。夜間や休日は救急外来の受診が推奨されることもあります。
再発を防ぐために
膀胱炎は、一度治っても2~3割の女性が再発を経験するといわれています。
再発の背景には、
・女性の体の構造
・ホルモン変化
・生活リズムの影響
などが関わっていると考えられています。
そのうえで、症状が軽くなった段階で抗菌薬を途中でやめてしまうことも、再発の一因になるそうです。
細菌が完全に排除されず残ってしまうと、再び増えて症状が戻ることがあるためです。処方された薬は指示に沿って正しく使うことが大事です。
近年は薬剤耐性菌も増えており、適切な治療を受けることがますます大切になっています。
膀胱をいたわる、毎日の工夫
水分をしっかりとる、トイレをがまんしすぎない、体を冷やさない、疲れやストレスをためない、外陰部を清潔に保つ、性行為の前後は清潔を保ち、行為後は排尿する——-こうした小さな習慣が再発予防に役立つといわれています。
今日から心がけてみてはいかがでしょう。
<参考>
※「ウィメンズ・メディカ」(小学館)
※「がまんしないで! 尿の悩み 膀胱炎」(『きょうの健康』2024年7月号 NHK出版)
※「膀胱炎のミニ知識」(杏林製薬株式会社)
※「細菌感染による『膀胱炎』『腎盂腎炎』」(公益社団法人 千葉県医師会)
※「膀胱炎はなぜ再発するのでしょうか」(一般社団法人 奈良県医師会)

