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納豆を多く食べる人は死亡リスクが低い?

健康食として今では世界的規模で注目を集める「納豆」。

いくつかの研究で納豆をひんぱんに食べる人は、病気による死亡リスクの低いことが明らかになったといいます。

そんな納豆のもつスーパーパワーな効果とは?

 

納豆を毎日食べる人は約2割

 納豆、食べていますか? 

「畑の肉」とも形容されるほどに栄養が豊富で、健康によく、ヘルシーな納豆。その歴史は古く、一説には縄文時代から食べられていた可能性があるともいわれています。さらには「伝統的な日本の食を代表する食材の1つ」「スーパーフード」などとも賞賛されています。

これほどの納豆ですから、毎日の食卓には欠かせない必須の食材……のはずですが、ひんぱんに食べている人は意外に少ないようです。

 全国納豆協同組合連合会の調べ(『納豆に関する調査』2025年)では、「毎日食べる」は全体の2割以下の18.7%で、「2~3日に1回」(21.0%)に次いで意外にも2番目でした。以下、「1週間に1回くらい」(14.1%)、「4~5日に1回」(8.4%)、「2週間に1回くらい」と続きます。さらには「全く食べない」が16.9%でした。

 納豆を食べる習慣には地域的な偏りもあって、「全く食べない」割合では東北地方(11.3%)、関東地方(13.0%)が低く、もっとも高いのは近畿地方で26.5%、次いで中国・四国地方の19.9%、中部地方が18.0%でした。

 納豆を食べる頻度は概ね西高東低といえそうです。

 

スーパーフード納豆の栄養価は?

納豆はご存知のように栄養価はとても高く、タンパク質や食物繊維、脂質、ビタミンB・K、カルシウムやカリウム、マグネシウム、鉄などのミネラルのほか、大豆イソフラボンや納豆特有の成分といわれるナットウキナーゼといった機能性成分を含んでいます。

とくに近年、注目されているナットウキナーゼは、血管を詰まらせる原因となる血栓を分解する作用があるといわれています。動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの予防が期待されます。

 また、納豆には老化防止や肥満の予防に効果があるといわれるポリアミンが含まれているといいます。ポリアミンには生活習慣病の発症を遅らせる可能性があるとも考えられています。

 そのほか、腸内環境を整えて便通を改善、免疫力アップ、血糖値の急上昇を抑え(食物繊維、納豆菌)、高血圧を予防し(カリウム)、骨粗しょう症の予防(ビタミンK)、更年期障害の改善(大豆イソフラボン)など、納豆はさまざまな健康効果が期待できる魅力あふれる食品といえます。

 

納豆を多く食べる人の死亡率が低い?

 そんな納豆やみそなどの発酵性大豆食品の摂取と死亡リスクに関する研究があります。国立がん研究センターが45~74歳の男女約9万人を対象に15年間行ったもので、それによると男女とも納豆やみその摂取量が多いほど、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患による死亡リスクが低下することが分かりました。

さらに男性の場合はそのリスクが摂取量のもっとも少ないグループに比べて18%減少することが明らかになったといいます。

 とくに納豆を多く食べている場合、死亡リスクは男性で24%、女性で21%低下。納豆の摂取量が多いほど循環器疾患による死亡リスクが低い傾向にあることが分かったといいます。

 また、関西医科大学が行なった研究(65歳以上の男性1500人余りを平均12年追跡調査)によると、納豆を週に数パック摂取すると、全く摂取しない人に比べて「あらゆる原因による死亡(総死亡)」のリスクが約40%低いことが明らかになったということです。

 

納豆の食べ過ぎには注意!

 そんな納豆のご利益を得ようと、一度にたくさんの納豆を食べようとする人がいるかもしれませんが、逆に健康を害することになりかねません。

 健康に問題がない人でも1日1パックが目安といいます。

たとえば納豆にはプリン体が含まれていて、日ごろからプリン体が気になる人は注意が必要ですし、大豆イソフラボンを摂りすぎると女性ホルモンのバランスがくずれて健康に悪い影響があるといわれています。

また、納豆に含まれるビタミンKは血液の凝固薬との関係もあり、食べ過ぎには要注意とも。

 何事もほどほどが大切です。「やり過ぎず」「やり足りない」のバランスを意識しながら、納豆との粘り強い付き合いをめざしましょう。

 

<参考>

*「納豆は栄養豊富!納豆の働きと上手なとり方を解説」(株式会社明治)

*「健康食の代表格『納豆』!栄養素の宝庫といわれる理由とは?」(株式会社Mizkan Holdings)

*「食べ過ぎに注意 納豆のちょうどいい食べ方」(株式会社世田谷自然食品)

*「多目的コホート研究(JPHC Study)大豆食品、発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連」(国立がん研究センター)

*「納豆を週に数パック摂取する高齢男性 死亡リスクが相対的に下がる可能性」(日経ビジネス電子版/2025.12.2)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。