
便は体の調子を知らせるメッセンジャー
毎日排泄される便には体の情報がたくさん詰まっているといわれています。便の色や形など、便の様子をチェックしてみませんか?
便が教えてくれる病気のサイン
健康を維持する秘訣として「快眠」「快食」「快便」いう言葉があります。「快眠」「快食」は気にしていても「快便」に関しては意外と無頓着な人が多いのではないでしょうか。
けれども、口から入ったら食べ物は食道や胃などの消化管を通って最後に便となって排泄されます。ですから、消化器系の器官に異常があれば、便にも異常が現れることが多いとされています。
また便は腸内環境の様子も反映するといわれています。例えば便のニオイがきつくなっているときには、腸内で悪玉菌が優勢になっているのかもしれません。
便の状態を知ることは、自分の健康状態を把握するためとても大切なこと。病気の発見にもつながるといわれています。
「排泄して終わり」ではなく、便の色や形状などのチェックをしてみませんか。
健康な便は、茶色や黄土色をしたバナナ型の形状で、ニオイが少なく、いきまなくてもスルリと出るものだとされています。
便の色をチェックしよう
便の色は、例えば便秘の時や肉類の多い食事やチョコレートをとりすぎたときなど濃褐色になるなど、食べた物によって一時的に変わることがあるようです。
しかし、以下のような便の色が続いたり他の症状を伴うときには、病気のサインかもしれません。必ず医療機関を受診して原因を調べてもらうことが大切です。
・黒色の便(タール便)
タール便が出るときには、食道や胃・十二指腸などの上部消化管からの出血が疑われるそうです。具体的には胃潰瘍や胃がん、十二指腸潰瘍などの病気が隠れていることがあるといわれています。
ただし、イカスミ料理などを食べたときや、鉄剤を飲んでいると便が黒くなることがあるそうです。
黒い便が続くときには、医療機関を受診して理由をはっきりさせましょう。
・赤い色の便(血便)
便が赤いときは、腸や肛門からの出血が疑われるそうです。出血している部位が肛門に近いほど、あざやかな赤色になるといわれています。
血便が出たときには、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性腸炎、大腸憩室出血などの病気の可能性があるほか、いぼ痔や切れ痔などの痔が原因で赤い便になっていることが考えられるそうです。
大腸がんの症状として多いのは血便だそうですが、ときに血便は痔のせいだと思いこんで、がんの発見が遅れるケースがあるといいます。
自己判断せず、必ず医療機関で精密検査を受けましょう。
・緑色の便
緑黄色野菜を多量に摂取したり、暴飲暴食をすると緑色の便が出ることがあるそうです。
また、消化機能が低下しているときや貧血、ウイルスや細菌に感染して起こる感染性胃腸炎でも緑色の便が出ることがあるといいます。
・灰白色の便
便は、通常は肝臓でつくられる消化液である胆汁が腸で食べ物と混ざり合うことで、茶色の便がつくられるそうです。
しかし、胆汁を作る肝臓の働きが悪くなったり、胆汁の通り道である胆管がつまったりすると白っぽい便になるといいます。
白や灰色がかった便が出るときは、胆管結石や胆管がん、膵臓がんなどの病気が疑われるそうです。放置せずに早めに医療機関を受診しましょう。
病気以外には、バリウム検査の後には白色の便が出ることが知られています。
便の形状も大事な手がかり
コロコロ便や下痢便が続いたり、血液や粘液、膿などが混じった下痢便が出る、便秘と下痢を繰り返すような場合は、消化器系のさまざまな病気が疑われるそうです。便の形が細くなるときも要注意。
大腸がんなどの重大な病気のサインである場合もあるので、放置せずに早めに消化器内科や内科を受診しましょう。
いかがでしたか?
便は体の調子を伝えるメッセンジャーだといわれています。
便を観察することで、いち早く体調の変化に気づくことができるのですから、便を見ずにすぐに流してしまうなんてもったいない。流す前によく見て、体からのSOSを見逃さないようにしましょう。
<参考>
※「便でわかる病気のサイン」(栄養と料理/2023.12月号 女子栄養大学出版部)
※「うんこの病気大事典」(日本うんこ学会)
※「便でわかるカラダの調子」(一般社団法人 愛知県薬剤師学会)