
【5/16更新】エナジードリンクの飲み過ぎに注意?
「眠気覚まし」や「元気になれる」といったことから若い世代を中心にエナジードリンクが飲まれているといいます。
一方で、それによるカフェインの摂り過ぎも問題になっているとか。
飲むときの注意すべき点は?
エナジードリンク人気の陰に過剰摂取のリスク?
エナジードリンクが日本に上陸したのは2005年といわれています。それから20年、エナジードリンクは10~20代のいわゆるZ世代が牽引役となって、今では30~40代の人たちにも飲まれるようになったといいます。
愛飲者のほとんどは男性ですが、近年は女性にもエナジー人気は広がりはじめたといいます。
エナジードリンクの市場規模は年を追うごとに広がって、今ではいつでも誰でも自動販売機やコンビニで容易に買うことができます。
その一方でエナジードリンクの飲み過ぎによる健康リスクも指摘されているようです。カフェインの過剰摂取の問題です。
カフェインといえばコーヒーやお茶などを連想しますが、エナジードリンクにも含まれています。
カフェインの過剰摂取の危険性
カフェインは、眠気を覚ます作用や集中力をアップさせるといった効果がよくいわれています。
朝、「さあ、やるぞ!」と元気を出すためだったり、日中の眠気覚しや仕事への集中力を高めるためにエナジードリンクを飲む人も多いでしょう。
エナジードリンクには、そんな「元気」を実感させるためにカフェインが多く含まれているといいます。
なかには1本のエナジードリンクにコーヒー2~3杯分に相当するカフェインが含まれているものもあるようです。
元気をもらえる一方、カフェインにはマイナス面もあります。心臓の収縮を強めたり血管を拡張させる作用、自律神経を乱す作用などです。
カフェインは適度に摂取する分には大きな問題はないとされますが、摂取し過ぎると吐き気、めまい、興奮や不安、頭痛や心拍数の増加、不眠などを引き起こし、カフェインの中毒症状が重度になると妄想や幻覚、錯乱、意識低下が見られ、最悪の場合、命に関わることもあるといわれます。
カフェインを含む複数の食品摂取に注意
エナジードリンク以外でもカフェインが含まれる飲み物はたくさんあります。コーヒーや紅茶、緑茶などはもちろん、コーラ飲料、ウーロン茶、ココアなどにも含まれています。
飲み物以外でもコーヒーゼリーやチョコレートのほか、チョコレートや抹茶を使った一部のケーキやビスケット、アイスクリームにもカフェインは含まれています。
こうした飲み物と食べ物の何種類かを一緒に、もしくは何回も飲食しているうちに、カフェインの摂取過剰になってしまうこともあります。
静岡県環境衛生科学研究所の調査によると、「カフェインを含む食品を食べるときに一緒に飲む飲み物」で、いちばん多かったのはコーヒー(83%)でした。次いで緑茶(66%)、紅茶(55%)の順。なかにはコーラ類やエナジードリンクと回答した人も数パーセントいました。
知らずにカフェインを過剰摂取していることも
食品からのカフェインの摂取は日本では基準がないようですが、例えばカナダの保健省は、1日当たりのカフェイン摂取量を「健康な成人で400mg(コーヒーではマグカップ3杯程度)」、イギリスの食品基準庁では「妊婦は1日当たり200mgまで」としているようです。
農林水産省などによれば、エナジードリンクには100ml当たり32~300mg(1本当たり36~150mg/製品による)のカフェインが含まれているといいます。
その量は缶やビン1本当たりコーヒー2~3杯分に相当するそうです。
特に問題とされているのは、エナジードリンクが分類上、炭酸飲料やお茶などと同じ清涼飲料水にあたること。
意識しないまま、他のカフェインを含む飲料や食べ物を同時に飲んだり食べたりしがちで、結果、知らない間に多量のカフェインを1日に摂取するリスクが指摘されています。
子どもや妊婦、授乳中の人の飲用は避けたほうが良いといわれています。
自販機やコンビニで手軽に購入できるだけに、ジュース感覚で何本も飲んでしまう危険があるといいます。
また、エナジードリンクにはカフェインだけでなく砂糖もたくさん含まれています。肥満や血糖値の乱高下を招きかねないことにも要注意です。
<参考>
*「カフェインの過剰摂取について」(農林水産省)
*「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」(消費者庁)
*「エナジードリンクとカフェイン」(公益社団法人千葉県医師会)
*「カフェインとどう付き合う?」(アリナミン製薬株式会社)
*「知って安心 食べ物に含まれるカフェイン」(静岡県環境衛生科学研究所 県民生活局県民生活課)