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【5/16更新】今年の夏も熱い! 熱中症対策は今から

さわやかな季節になりましたが、暦の上では夏の始まり。

今年の夏も高温が予想されています。暑さに慣れる準備を今から始めましょう。

 

熱中症は5月6月から注意を

「もう熱中症の話題?」などという声が聞こえてきそうですが、日本気象協会の発表によると「今年も早い時期から厳しい暑さになる日が多くなりそう」とのことです。

「熱中症は夏のトラブル」と思っていませんか? 

実は熱中症は汗をかくのに慣れていない5月ごろから増えてくるといわれています。

また夏本番を迎える梅雨どきにも「梅雨型熱中症」と呼ばれるものがあるそうです。

梅雨の時期は気温がそれほど高くなくても、湿度が高いために汗が蒸発しにくく、体温が体にこもりやすくなるとわれています。

また梅雨時は夏と違ってのどが乾きにくいために、水分補給がおろそかになり体内の水分が不足しがち。

体温調節がうまくいかず脱水症状もあいまって、熱中症が発生しやすいといいます。

 

暑熱順化をご存知ですか?

ところで皆さんは「暑熱順化(しょねつじゅんか)」という言葉をご存知でしょうか。

日本気象協会が推進するプロジェクト「熱中症ゼロへ」が行った『第12回「熱中症に関する意識調査」によると、「熱中症」を知っている人は全体の約9割以上もいるのに対して、「暑熱順化」を知っている人は「なんとなく知っている」「名前だけ聞いたことがある」人も含め約4割、半数以下の人には認知されていませんでした。

 

入浴はシャワー、運動不足の人は熱中症の高リスク

簡単にいえば、「暑熱順化」とは体を暑さに慣れさせること。

本格的な暑さがくる前から入浴や軽めの運動やストレッチなどを習慣化して徐々に体に暑さに慣れさせていくことで、熱中症になりにくい体をつくることができるそうです。

とくに「入浴はシャワーですませる」「運動はほとんどしない」など汗をかくことがほとんどない人は、急に気温が上がって夏日や猛暑日が続くと、体は暑さに慣れていないため、熱中症を引き起こすリスクが高くなるそうなので、ご用心。

 今から体を暑さに慣らして暑熱順化をすすめていこことが大切です。

 

暑熱順化を始めるなら、今からここから

日本気象協会によると、暑熱順化を始める時期は、沖縄地方は4月下旬、九州地方は4月下旬~5月上旬から、東海、関東、東北地方では5月中旬~5月下旬、北海道地方では5月下旬くらいを目安にするとよいそうです。

 

日常の心がけでできる暑熱順化

「暑熱順化」という名前から実行するのがむずかしそうに思えるかもしれませんが、日常のちょっとして心がけで進めることができます。

 東京都の広報誌によると、入浴は2日に一度は湯船に入る、運動は、ウォーキングなら30分、ジョギングなら15分/週5日、ストレッチや筋トレなど汗をかく運動は30分/週5日~毎日、サイクリング(通勤や買い物など)は30分/週3回などが目安だとしています。

 忙しい人も運動は勤時1駅分を歩いたり自転車通勤をしたり、仕事の合間や寝る前などにストレッチや筋トレを行うなど、すき間時間を活用すると続けやすく習慣化しやすいかもしれません。

 また入浴はシャワーよりも湯船につかったほうが、リラックス効果が得られ自律神経のバランスを整えるのにも有効だといわれています。

暑熱順化を習慣化することで、体は次第に暑さに慣れて、暑さに強くなるといわれています。暑熱順化を進めるなら、今がチャンス。汗をかくことを意識的に行って、夏を乗り切りましょう。

 

 

<参照>

※「熱中症ゼロへ」(一般社団法人日本気象協会)

※「熱中症に負けないからだの夏支度」(広報東京 2025年5月1日発行)

※「GW後半は熱中症に注意 関東は夏日続きの予報 この時期に大事な「暑熱順化」とは? 何をすればいい?」(東京新聞デジタル/2025.4.29)

※「暑熱順化~暑くなる前からの熱中症対策~」(所沢市ホームページ)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。