
【5/8更新】男性の小用スタイル、立つか座るか? どっち?
男性がおしっこをするときのスタイルといえば、かつては「立ちション」が当たり前でしたが、近年は、「座りション」が主流なんだとか。
なぜ、そんなことになったのでしょう?
既婚者は世代を超えて「座って」が優勢?
男性のみなさんは自宅のトイレでおしっこをするとき、「立ちション」ですか? それとも「座りション」ですか?
一般社団法人日本排尿機能学会の調査によると、男性の「家庭での排尿の際の姿勢」について、「座って排尿する」とする割合は全体で57%だったそうです。
世代別では、20代が69%でもっとも高く、30代が66%、40代が57%、50代が54%、60代が52%といずれも過半数を超え、70代で50%、80代でも47%と高い割合でした。
男性の「立って」小用のスタイルが、新旧の世代を超えて徐々に「座りション」に変化、定着しつつあることがうかがえます。
また、既婚と未婚を比べてみると、20~30代の既婚者の「座りション」の割合は75%なのに対して、独身者は62%でした。40~50代では既婚者の「座りション」は61%、独身者が47%、60代以上は既婚者の「座りション」が52%、独身者は41%でした。
いずれの世代も既婚者の小用スタイルは、座り姿勢が10ポイント以上優勢でした。
自宅では「座って」、外出時は「立って」のなぜ?
では外出先でのオシッコの姿勢はどうかというと、自宅とは真逆の様相。
製紙大手の大王製紙の調査によると、外出先では全体の約8割(77.1%)が「立ち姿勢」派でした。世代別で見ると20代は57.1%ですが、30代の73.1%、40代74.1%、50代の78.1%、60代79.1%、70代以上が76.2%と、20代以外はいずれも7割以上の男性が「立って」用を足すのでした。
ただ、これは会社や駅などの公共の施設には、家庭と違い小便器が設置されていることが大きな理由かとも考えられといいます。
家の中と外での排尿スタイルの違いは、おしっこの「ハネ」による家庭内のトイレの汚れと大いに関係があるようです。
大王製紙が行った実験によると、男性が立って排尿した場合、尿は便器本体はもちろん、トイレ内の床や周囲の壁などに飛び散っていることが分かったといいます。
さらに尿のハネをそのまま放置すれば、それが手や足に付着して、家の中の衛生環境に影響しかねないといわれます。
そんな衛生面への配慮が、男性の「座りション」増加の背景にあるのかもしれません。
「立ち」から「座り」へのきっかけは?
それまでの「立ち」から「座り」に排尿姿勢を変えたきっかけは何でしょう?
洗剤やトイレタリー用品などのライオンの調査によれば、「立ちションから座りションへスイッチした理由」の1位が「尿ハネで汚れるのを体験したから」(37.3%)でした。
他に「トイレを掃除する人の気持ちを考えるようになったから」(27.9%)、「立ちションによる尿ハネ汚れの画像をテレビやWEBで見たことがあったから」(22.6%)、「トイレ掃除を自分でするようになったから」(19.3%)などでした。
とはいえ、同調査によれば、「絶対に、座りションに変えたくない」(14.5%)や「なるべく座りションに変えたくない」(28.7%)という人もいるわけで、「立ち」姿勢にこだわる男性も一定数いることは確かなようです。
「座ってオシッコ」のメリットとは?
男性が立ってオシッコをするとトイレのあちこちに尿が飛び散って、不衛生になる可能性があります。排尿のたびに掃除する習慣がある場合なら、心配はないでしょうが、多くの男性は排尿後、そのまま放置しがちです。
それが毎日となるとトイレの匂いが強くなったり、汚れも蓄積されます。
また、多くの男性が経験したことがあると思いますが、立ってオシッコをすると尿は便器の周囲だけでなく、履いているズボンや足先、靴にも付着することがあります。「ちょいモレ」で下着やズボンに尿のシミを作った経験も男性なら覚えがあるはずです。
さらに立ってオシッコするよりも座ったほうが残尿量が少ないということもいわれています。
衛生面だけでなく、「座ってオシッコ」の利点もさまざま。それでも、やはり「立ってオシッコ」を貫きますか?
<参考>
*「下部尿路症状に関する疫学調査(2023.5.31~6.5)」(一般社団法人日本排尿機能学会)
*「立つ派?座る派? 男性の排尿事情とトイレットペーパーの使用頻度を調査(2024.6.5~6.13)」(大王製紙株式会社)
*「男性の小用スタイルに関する実地調査2021(2021.6.18~6.21)」(ライオン株式会社)
*「男性 トイレ立つ派?座る派?」(東京新聞/2025.5.1)