
【4/21更新】休日の寝だめはかえって疲労を深めるかも
休日はたくさん寝だめをしたはずなのに、休み明けの朝は体がだるくて仕事がはかどらない……ということはありませんか?
もしかしたらそれは「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」なのかもしれません。
「ソーシャル・ジェットラグ」とはどんなもの?
旅行や出張で海外に行ったときに出発地と現地の時間差が大きいと現地の時間に適応できずに、体調が悪くなることがあります。
これがみなさんご存知の「時差ボケ」です。
ところが渡航しなくても、休日の前夜に夜更かししたり休日に寝だめをして就寝時間や起床時刻がずれることで、それをきっかけに体内時計が乱れてしまうことがあります。
これを「ソーシャル・ジェットラグ」といい、昼間に強い眠気が起こったり、だるさや、頭重感、注意力の低下など、時差ボケと同じような症状が現れることが知られています。
休み明けはそれでなくても気持ちが上がらないのに、こんな症状があると、なおさら会社に行く足取りが重くなってしまいますね。
「休日の寝だめ」は効果あり?
休みの前日は、開放感からだらだらと夜更かしをして、休日はふだんの睡眠不足を補うために寝だめをしている人も多いのではないでしょうか?
少し多めに眠ることで疲労回復はできるようですが、休日の寝だめで平日の睡眠不足を完全に解消することはできないそうです。
また疲れをとるために休日は昼過ぎまで寝ているなど、就寝時刻や起床時刻がふだんと大きくずれてしまうと、体内時計の乱れを引き起こすことがわかってきました。
体内時計の乱れが引き起こす健康リスク
私たちの体には体内時計という時間を刻むメカニズムがあって、体の多くの機能に活動と休息のリズムを与えています。
しかし平日と休日の生活リズムを大きく変えることによって体内時計が乱れると、眠気やだるさなどの社会的な時差ボケが生じて、平日の仕事のパフォーマンスが低下してしまいます。
それだけではありません。体内時計の乱れは、高血圧や肥満、糖尿病などの生活習慣病や脳血管系障害、心血管系疾患、うつ病や抑うつ症状の発症リスクになることが報告されています。
また女性の場合は、月経不順や月経時の不調を引き起こす可能性があるといわれています。
長い休日はとくに生活リズムの乱れに要注意
休日くらいはゆっくり寝たいところですが、病気や仕事のパフォーマンス低下のリスクを考えると、休日の朝寝坊はぜいぜい1~2時間以内にとどめたいものですね。
もっと眠りたくてもとりあえず起きてカーテンを開けて太陽光を浴びることで、体内時計が整えられるそうです。
眠いときには、夜の睡眠に影響を与えないよう、昼食後から午後3時の間で少しだけ昼寝をするのもいいかもしれません。
また日中は軽い運動をすることも休日の夜の良い眠りにつながるようです。
ところで、休日の2日間朝寝坊しただけで、体内時計が30~45分遅れてしまうという報告があるそうです。
ゴールデンウィークや夏休み、冬休みといった長い休みは、とくに社会的時差ボケを起こしやすいのでご用心。
憂うつで無気力な休み明けを向かえないためにも、休んでいるときも平日の生活リズムを大きく変えないことがポイントになるようです。
<参考>
※「良い目覚めは良い眠りから知っているようで知らない睡眠のこと」(厚生労働省)
※「休み明けに気をつけたい、社会的時差ぼけ!?」(健康づくりかわら版 一般財団法人日本予防医学協会)
※「睡眠負債を解消する」(健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団)
※「体内時計のずれを上手にリセット、健やかな生体リズムで生活習慣病をSTOP!」(サワイ健康推進課 沢井製薬株式会社)
※「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)とは? 寝だめによる体内リズムの乱れ」
(睡眠リズムラボ 大塚製薬株式会社)