
更年期世代から増えてくる子宮体がん
3月9日は「子宮体がん」の日だそうです。近年は増加傾向にあるといわれている子宮体がん。どのような「がん」なのでしょうか?
原因も好発年齢も異なる2つの子宮がん
子宮にできるがんには、子宮の入り口近くに出来る「子宮頸がん」と子宮の奥(体部)にできる「子宮体がん」があるそうです。
同じ子宮にできるがんでもこの2つは発生原因が大きく異なっているといいます。
子宮頸がんは、ほとんどの場合、性的な接触でうつる「ヒトパピローマウィルス」が原因であることがわかっています。
一方子宮体がんの主な原因には、女性ホルモンのエストロゲンが深くかかわっているといわれています。
かかりやすい年代も異なり、子宮頸がんは20代後半と比較的若い年代から増えてくるのに対して、子宮体がんは40代以降半から発症が増えて、ピークは50代~60代。
そのため子宮体がんは閉経後にかかる病気だと思われがちです。
けれども最近は、30歳代での発症も増えているといわれてますから「まだ若いから大丈夫」と油断はできません。
子宮体がんになりやすい人の傾向
女性ホルモンのエストロゲンが関係している子宮体がんでは、エストロゲンにさらされている期間が長いほど発症リスクが高くなるとされています。
そのために、出産経験が少ないもしくは出産経験がない人や月経不順がある人などは、注意が必要だといわれています。
ほかにも肥満の人、糖尿病や高血圧の人なども子宮体がんのリスクが高くなることがわかっているそうです。
子宮体がんは、現代女性なら誰でもかかる可能性があるがんなのかもしれません。
不正出血に要注意
子宮体がんの症状は性器からの不正出血(不正性器出血)が特徴的だそうです。
日本婦人科腫瘍学会によると「患者さんの9割に不正性器出血がみられる」といいます。
けれども、不正出血があっても「月経不順だから」と見逃してしまう人が少なくありません。
また更年期世代は閉経前に月経周期が乱れるそうです。そのために更年期特有の症状と勘違いして発見が遅れるケースもあるといいます。
不正出血はさまざまな原因で起こるといわれています。しかしなかには子宮頸がん、また子宮体がんのように重大な病気が隠れているサインであることも。
不正出血があると「すぐにおさまったから大丈夫」とか「出血量が少ないから」と受診をためらう人が少なくありません。また閉経後の出血も見逃してはいけないと専門家は警鐘を鳴らします。
不正出血があったときは、放っておかずに必ず婦人科を受診して病気の有無をチェックしてもらうことが重要です。
<参考>
※「更年期障害 これで安心」(小学館 監修/堀口雅子)
※「子宮体がん」(公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会)
※「子宮体がん」(公益社団法人 日本産科婦人科学会)
※がん情報サービス「子宮体がん」(国立がん研究センター)
※「子宮頸がんと子宮体がんの基礎知識」(公益財団法人 日本対がん協会)