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口臭対策していますか?

マスクをしているときにふと自分の息のニオイが気になることはありませんか?  

マスクを着用時はマスク内に自分の息が留まるために、息のニオイを感じやすくなるといわれています。 

あなたは気になりませんか? 

 

8割の人が自分の口臭が気になる!? 

 人に言いにくい悩みはいろいろありますが、その一つは「口臭」かもしれません。 

日本歯科医師会が2016年に全国の10代~70代1万人を対象に歯科医療に関する意識調査を行っています。 

 調査によるとお口の悩みのトップ3は、1位「ものが挟まる(43.2%)」、2位「歯の色が気になる(32.7%)」、そして「口臭(27.1%)」が第3位。 

中でも口臭は10代から70代までのすべての年齢が気になる共通の悩み。とくに20代は34.4%と3人に1人が口臭に悩んでいました。 

 またニオイの強い食品を食べたあとなど一過性の口臭を除いて「自分の口臭が気になる」と答えた人は全体の8割にものぼります。 

 

口臭が気になる相手は「配偶者」「会社の上司や同僚」 

 では、他人の口臭についてはどうでしょうか?  

他人の口臭が気になった経験の1位は「配偶者(男性59.3%、女性83.6%)」、2位は「会社の上司や同僚(男性71.7%、女性61.6%)、3位は「男友達(男性72.0%、女性61.6%)でした。以下、女友達、母親、父親、恋人、学校の先生と続きます。 

 1位の夫婦間の口臭については、配偶者の口臭が気になる妻は8割。夫よりも妻のほうが気になっているようです。 

 ところで「他人から自分の口臭を指摘された経験あり」との回答は全体の4割にものぼります。 

「自分との距離をあけられた」「顔をそむけられた」経験をした人も25.5%いました。 

 

実際に歯科を受診する人は1割未満 

 なんとかしたい口臭。けれども7割近くの人が「口臭の原因のほとんどが歯周病・むし歯・入れ歯の汚れなど口の中の病気」と認知しているのにも関わらず、実際に「歯科医院に行く」と回答した人は1割未満という結果でした。 

 調査によると「自分の口のニオイが気になるとき」は「歯を磨く(66.0%)」ガムやブレットを噛む(51.8%)と一時的な対策でお茶を濁している人が多いようです。 

 

口臭専門外来も 

 歯周病や虫歯、入れ歯の汚れや舌苔(ぜったい)など、口臭の原因となるお口のトラブルを解決しない限り、いつまでも口臭をくり返すことになります。 

また、糖尿病など内科的な病気が原因で口臭が起こるものもあるそうです。 

口臭が気になるときには、そのままにしておかないで、歯科を受診することをおすすめします。 

なお、口臭の原因を特定して治療する専門外来も増えているようです。 

口臭は、自分ではなかなかわかりにくいものだけに、気になりだすとどんどん不安になっていきます。口臭専門外来では口臭の測定・検査などを行って口臭の有無や度合いを客観的に評価してくれます。 

生理的口臭といって誰でも多少の口臭はあるといいます。 

自分の口臭の度合いが客観的に判断してもらえると安心できるかもしれません。 

※次回は「口臭と唾液の深い関係」についてお話しします。 

 

<参考> 

※「10代~70代の男女1万人に聞く、お口の臭い調査」(日本歯科医師会) 

※「口腔内のトラブル」(日本口腔外科学会) 

※「口臭の原因・実態」(e-ヘルスネット 厚生労働省)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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