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「かかりつけ医」は、どうやって見つける?

体のことや健康のことなど、なんでも相談できる医師が近くにいると心強いですよね。こうした「かかりつけ医」ですが、半数近くの人がいないといいます。 

見つけるときのポイントはあるのでしょうか? 

 

半数近くは「かかりつけ医」がいない 

「かかりつけ医」という言葉は、今ではすっかりおなじみになりました。 

健康で困ったことがあれば、いつでも診療してくれる、そんな身近な「かりつけ医」を持っている人はどのくらいいるのでしょう? 

 日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が全国の20歳以上の男女1,162人を対象に調査(202311月)した結果によると、全体の56.9%が「かかりつけ医」が「いる」と回答しています。「いない」は42.3%でした。 

 高齢になるほど、「かかりつけ医」が「いる」割合は高くなり、60歳代では66.8%、70歳以上は81.9%でした。逆に若い世代では「いない」割合は高く、20歳代70.7%、30歳代67.7%にも上りました。 

 男女別では、女性の方が男性よりも「かかりつけ医」が「いる」とする割合が、ほぼ全世代で高く62.2%。対して男性は49.9%でした。 

 

かかりつけ医」をどうやって見つける 

「かかりつけ医」が「いない」理由の多くは「あまり病気にかからないから」が69.7%で最多でした。 

「その都度、受診する医療機関を選ぶ」も26.2%でした。 

一方、「どのような医師がかかりつけ医に適しているか分からない」や「かかりつけ医を探す方法が分からない」「適していると思う医師が見つからない」といった疑問や悩みを持つ人が35.8%いました。 

どうやって『かかりつけ医』を見つけたらいいのでしょう? 

前述の日医総研の調査では、「かかりつけ医の探し方(すでにいる人は新たに探す場合を想定/複数回答)」に対して、「医師から紹介してもらって自分で選ぶ」が51.1%、「自分で調べて自分で選ぶ」が47.8%でした。 

「かかりつけ医」を自分で選ぶ人が多いようです。 

 

かかりつけ医」ってどんな医者 

 そもそも「かかりつけ医」とはなでしょう? 

 厚生労働省によれば、「健康に関することを何でも相談できる」「必要なときは専門の医師・医療機関を紹介してくれる」「身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」となっています。 

 でも、もし、このような医師が自分の近所にいたら、誰もが「私の『かかりつけ医』としてぜひ、お願いしたい!」と思うに違いありません。 

ところが、現実はそんな都合よくできていきません。残念ながら……。 

では現在「かかりつけ医」がいる人は、どんな理由から「その医師」を自分の「かかりつけ医」にしているのでしょう。 

やはり日医総研の調査によれば「住まいの近所」(53.4%)、「現在の病気の主治医」(49.6%)、「身近で何でも相談できる」(36.8%)、「自分や家族の病歴を知っている」(18.3%)、「必要時に専門医を紹介できる」(18.2%)などでした。 

 

健診や予防接種をきっかけにしては 

 とはいえ、これから「かかりつけ医」を見つけようという人には、どうやって探したらいいのか「分からない」のが正直な気持ちかもしれません。 

 厚労省によると、「健康診断や予防接種」「家族の受診」などは、「かかりつけ医」を見つける良いきっかけになるといいます。 

住んでいる自治体や医師会のホームページを参考にしたり、保健センターなどの健康情報、広報誌を参考にするのもいいといわれます。 

 軽い症状で受診するのも1つの方法。「内科」に限らなくてもいいようです。 受診したら、健康のことで気になることを質問してはいかがでしょう。 

医師がこちらの話をきちんと聞いてくれて、説明が分かりやすいことがポイントだそうです。 

 そして、何より重要なのが「相性」だといいます。 

ネットの口コミで評価がよくても、実際に会って話してみないと相手の人柄など、自分との相性がどうかまでは分かりません。 

身近にいて健康相談ができ、疾患の早期発見と治療、専門医療機関への紹介なども期待できる「かかりつけ医」。 

性急を避け、焦らず、慎重に探すのがいいようです。 

 

<参考> 

*「第8回 日本の医療に関する意識調査 2023.11」(日本医師会総合政策研究機構) 

*「『かかりつけ医』ってなに?」「『かかりつけ医』の見つけ方・探し方」(厚生労働省) 

*「かかりつけ医の探し方」(大樹生命保険株式会社) 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。