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飲酒量を減らしたいならノンアル飲料が有効?

健康を考えると毎日の飲酒の量を減らしたい。そう考えている人も少なくないでしょう。

最近、人気のノンアルコール飲料が飲酒量を減らすのに有効という研究結果があるようですが本当でしょうか?

 

ノンアル飲料がアルコール飲料に「置き換わる」?  

新聞などでも報じられましたが、筑波大学の発表によると、お酒が好きな人に一定期間、ノンアル飲料を飲んでもらうと、ノンアルがアルコール飲料に「置き換わって」飲まれるようになり、その結果、飲酒量が減る可能性があるという実験結果が、同大学の研究グループによって世界で初めて実証されたというものでした。

さらにノンアルの提供後も実験前よりアルコール飲料の摂取量が減った状態が続いたということです。

 飲み過ぎ対策として有効なのではないかと研究チームは指摘しているといいます。

 

参加者は飲酒が週4以上の「酒好き」

 実験に参加したのは、アルコール依存症の患者や肝臓疾患のある人を除いた22歳から72歳の123人(男性54人、女性69人)で、1週間に4回以上お酒を飲み、1回の飲酒量は、生活習慣病のリスクを高めるとされる純アルコール量(厚生労働省「健康日本21」より)と同じ、男性40グラム以上、女性20グラム以上で、ノンアル飲料の使用が月1回以下。平均年齢47.5歳のいわゆる「酒好き」の人たちだそうです。

これをノンアル飲料を「提供する」「提供しない」の2つのグループに分けて、それぞれ飲酒も含めて自由に過ごしてもらい、「提供する」グループには12週間の実験期間中、4週間に1回、ノンアル飲料を提供したということです。

 

実験後は純アルコール量が大きく減少

 結果は、ノンアル飲料を提供されたグループではノンアルの摂取量が増え、1日平均314ml飲み、飲酒も純アルコール換算で実験前より1日平均11.5グラム減っていたということです。

さらにノンアル飲料を多く飲んだ人ほど飲酒量が減っていたそうです。

 ノンアルを提供されなかったグループでは、純アルコール換算で1日平均2.7グラム減にとどまったということです。

 ちなみに実験に参加した人たちが週に4回以上も飲酒するほどの「酒好き」にもかかわらず、実験後、ノンアル飲料を自分で購入して飲み続けて、酒量減を継続したそうです。

 日々の酒量が気になる人は、これを機にノンアル生活を試してみてはいかがでしょう?

 ノンアル飲料はいやでも目につくところ、そしていつでも飲めるように、例えば冷蔵庫の中などに常備しておくといいらしいです。

 

<参考>

*「ノンアルコール飲料の提供で飲酒量が減少することを世界で初めて実証」(国立大学法人筑波大学/報道関係資料2023.10.5)

*「ノンアル飲料 酒量減に有効」(東京新聞/2023.11.15)

*「『酒好き』でもノンアルを続けると飲酒量が減る不思議」(AERAdot./2023.11.10)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。