個人輸入の化粧品、医薬品にご用心
国内の販売価格よりも安く買えたり、国内では販売されていないものを購入するために医薬品や化粧品等を個人輸入する人が少なくありません。
でも、思わぬリスクが潜んでいるのをご存じでしょうか?
個人輸入した化粧品のトラブル
今年9月に発表された国民生活センターの報告によると、インターネットの評判を見て購入した美白クリームを使用したところ、かぶれて色素沈着がより強くなったとの情報が寄せられたそうです。
表示等を調べると、国内では医師の処方が必要な医薬品成分が含まれており、基本的に軟膏として顔への使用は禁忌とされているものだったといいます。
化粧品だけではありません。
例えばダイエット薬もそのひとつ。
過去には厚生労働省が「ダイエット目的の処方薬として個人輸入されていることが疑われる『ホスピタルダイエット』などと称される製品については、複数の都道府県から死亡例を含めて重篤な健康被害例が公表されているので、このような製品を決して入手して服用しないで下さい」と注意喚起を促しています。
個人輸入による医薬品や医薬部外品や医療機器はもちろんのこと、化粧品やダイエット薬、いわゆる健康食品と呼ばれるものの健康被害が多数報告されています。
偽造の医薬品等リスクが高い
そもそも海外から輸入される医薬品や医療機器、化粧品などは、日本国内で正規に流通しているものであれば、薬事法に基づいて品質や有効性、安全性の確認がされているそうです。
しかし、海外サイトで購入したり海外から持ち帰るものに関しては日本の法律に基づく品質や有効性、安全性の確認がなされていません。
不衛生な場所・方法で製造されたものや正規のメーカー品を偽った偽造医薬品であったり、また誇大な効能・効果、安全性などを標ぼうして販売等されている場合などがあるそうです。
医薬品や化粧品等の個人輸入は、通常、メリットよりもリスク(危険性)のほうが高いと考えられるといいます。
国民生活センターでは、医薬品や化粧品等を個人輸入する際は、記載内容をよく確認した上で購入を判断し、商品の表示等を十分に理解してから使用すること。必要に応じて医師や薬剤師に相談し、使用したことで体調に異変を感じたときには、すみやかに医療機関を受診することなどをすすめています。
医薬品や化粧品等の個人輸入は細心の注意が必要
また、気軽で便利なネットショッピングですが、届いた商品に問題があったり、返品しようとしても販売業者と連絡が取れないなどのさまざまなトラブルも発生しています。
とくに医薬品や健康食品、化粧品等は、直接飲んだり肌に塗ったりするものですから、購入する場合は細心の注意が必要です。
少しでも不安があるときには、購入を控えたり購入しても使用しないことをおすすめします。
厚生労働省は「あやしいヤクブツ連絡ネット」を開設し、「個人輸入の薬」、「指定薬物等を含む危険ドラッグ」に関連する事例や健康被害に関する情報の収集、提供や相談を行っているそうです。
気になる人は、チェックしてみてください。
<参考>
※「知っておきたい薬の知識」(厚生労働省 日本薬剤師会)
※「個人輸入した医薬品、化粧品等にご注意」(国民生活センター)
※「健康被害などリスクにご注意! 海外からの医薬品の個人輸入」(政府広報オンライン)
※「あやしいヤクブツ連絡ネット」(一般社団法人 偽造医薬品等情報センター)