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「だるい」「疲れやすい」のは夏バテではなく貧血かも?

記録的な猛暑日が続いた今年の夏。「暑さ続きでバテバテ」という人も多いかもしれません。

でも、もしかしたらその不調は鉄分不足からくる貧血かもしれません。

 

女性に貧血が多いわけ

 女性に多い病気のひとつに鉄欠乏性貧血があります。

女性は毎月月経による出血があるため、男性に比べて貧血になりやすいことが知られています。

体重増加を気にして、食事を抜いたり制限したり、またバランスの悪い食事をとっていることで、貧血をひどくしてしまう女性も少なくありません。

 

夏は貧血にご用心

 今年のような猛暑続きの夏は、さらに貧血になりやすい条件が揃っているといいます。

みなさんもご存じのように、汗をかくと体内から水分や塩分とともにミネラルも失われてしまいます。

鉄は健康維持に欠かすことができないミネラルのひとつ。大量に汗をかくと、鉄も一緒に体の外に流れでてしまうというのです。

 

鉄不足で起こるさまざまな不調

 鉄分が不足すると、なにがいけないの? と疑問に思う人もいるかもしれません。

鉄は体の隅々まで酸素を運ぶ重要な役割をしています。その鉄分が不足すると、動悸やめまい、息切れ、立ちくらみ、耳鳴り、だるい、疲れやすい、頭が重いなどいろいろな不調が現れます。

また、脳に酸素がいきわたらないために、思考能力や記憶能力が低下することも。

ほかにも眠れなかったり、神経伝達がうまく行われなくなってうつぽい気分になることもあるといいます。

鉄分が不足すると、心に体にさまざまな不調が現れてくるのです。

 

鉄不足はコラーゲン不足につながる

 さらに、鉄不足は美容や骨の健康にとっても大きな影響があります。

コラーゲンは、美しい肌や髪、爪を保つのに欠かせないたんぱく質の一種ですが、コラーゲンをつくるには、アミノ酸のほかにもビタミンCや鉄分が欠かせないのです。

また、丈夫でしなやかな骨をつくるためにはカルシウム以外にもコラーゲンが必要不可欠です。

女性がいつまでも若々しく健康を保つために、鉄分は不足させてはいけない大事な栄養素のひとつだといえます

 

今こそしっかり鉄分を!

 鉄の多い食材はレバー以外にも赤身肉やアサリ、ホウレンソウ、小松菜、切り干し大根、高野豆腐、大豆、納豆などがあります。

夏バテ防止のためにも、貧血予防のためにも、鉄分の多い食材を使ったおかずを食事にプラスして、夏から秋への季節の変わり目を元気に乗り切りましょう。

 

 

<参考>

※「栄養カレッジ 鉄」(大塚製薬株式会社)

※「汗と流れて鉄分不足 スポーツにも注意を」(東京新聞web)

※「夏バテ回復の秘訣は鉄分 おすすめレシピを紹介」(NHK首都圏ナビ)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。