プラスコラム
PLUS COLUMN

プロテイン食品と上手に付き合おう

プロテイン食品が人気のようです。

「プロテインのことはよくわからないけれど、美容やダイエットによさそうさだから」と利用している人も少なからずいるようです。

今回はプロテイン食品との付き合い方について考えてみました。

 

人気上昇中のプロテイン食品

 プロテイン食品といえば、筋力増強のためにアスリートやボディビルダーなどが摂取する粉末状の製品というイメージが強いかもしれません。

けれども近年では女性が美容目的で利用したり、高齢者が栄養補助のために活用するなど、利用者の幅も広がってきました。

民間の調査会社である富士経済によると、プロテインパウダーも含め「たんぱく補給食品」の市場規模は、年々広がって10年前の約4倍にも伸びているようです。

 

そもそもプロテイン食品ってどんなもの?

 プロテインとはたんぱく質を意味しています。

肉や魚、卵、乳製品、大豆などに多く含まれるたんぱく質は、内臓や筋肉、皮膚、毛髪などの私たちの材料となる大切な栄養素。さらにホルモンや抗体、消化や吸収に関わる酵素などもたんぱく質がつくっています。

 体に大切な働きをするたんぱく質を、食事以外の形で手軽にとれるのがプロテイン食品。

最近は粉末やゼリータイプなどのほかにも、高たんぱくのお菓子や飲料、ラーメン、ポタージュなどさまざまな製品が出てきているようです。

 

原料となるものは?

 プロテイン食品の原料となる代表的なたんぱく質には、動物性(牛乳由来の「ホエイプロテイン」「ガゼインプロテイン」と植物性(大豆プロテイン)があるようです。

吸収が早いホエイプロテイン、吸収が緩やかで長時間たんぱく質を補給出来るガゼインプロテイン、同じく吸収がゆるやかで女性ホルモンに似た構造の大豆イソフラボンが含まれる大豆プロテインなど、それぞれの特徴を知って、自分に合った製品を選びたいものですね。

 

とりすぎに注意

 プロテイン食品は、手軽にたんぱく質を摂取できることが特徴ですが、だからといって多くとればよいというものではありません。

プロテイン食品は、あくまでで食事をサポートする補助食品。プロテイン食品ばかりとっていては、さまざまな栄養素をとることができません。

また、単にたんぱく質だけとっていても筋肉はつくられないといいます。エネルギー源となる糖質や脂質をしっかりとっていないと、たんぱく質がエネルギー源としてつかわれてしまうからです。

さらに、どんな栄養素でもそうですが、たんぱく質の過剰摂取も問題です。

たんぱく質をとりすぎると、腸内環境が乱れたり尿路結石の原因になることもあるそうですから、過剰摂取には注意しましょう。

 

筋肉をつけるには運動が必要不可欠

  もう一つ気をつけたいのは、プロテインさえとれば、筋肉がつくという思いこみです。

筋肉量をつけて基礎代謝量を上げてダイエットに役立てようと考えている人もいますが、当然のことながら、筋肉をつけるには運動も必要です。

 運動もせずに必要以上にプロテイン食品をとっていると、体脂肪として体に蓄積されてかえって太ってしまうこともあるそうです。

美しいボディラインをつくるには、適量のたんぱく質をとりながら、体を動かす運動習慣をつけていくことが大切です。

  プロテイン食品はあくまでも食事で不足する栄養をサポートするものと考えて、上手に活用したいものですね。

 

 

<参考>

※プレスリリース「拡大加速する、たんぱく補給食品市場を調査」(富士経済グループ)

※「プロテイン食品との付き合い方」(『栄養と料理』2022年5月号)

※「空前のプロテインブーム! ~あなたのギモン調べます~」(NHK NEWSWEB 2022年2月25日)

※「かんたん、わかる! プロテインの教科書(森永製菓株式会社)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。