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低糖質、低カロリーで人気の人工甘味料に発がん性?

低糖質、低カロリーをうたう飲食物に使われることのある食品添加物の人工甘味料。

砂糖よりも少ない量で甘さは数百倍といわれます。

国際機関から発がん性の可能性も指摘されているようですが、大丈夫でしょうか?

 

和菓子はスイーツと呼んでいいのか?

 今ではすっかり定着したスイーツという言葉。多くは洋菓子をさしてスイーツと呼ぶようですが、甘いお菓子の総称といっていいかもしれません。2000年前後から女性誌などで使われはじめたといわれているようです。

単なるお菓子とは区別しているようで、煎餅やポテトチップスなどの塩気混じりの味のお菓子は当然ながらスイーツとは呼びません。

 団子やおはぎ、だいふく、ようかんなどの甘い和菓子はどうか?

スイーツの仲間ですが、最近は和スイーツというらしいです。

果物は甘いですけどスイーツの仲間ではありません。

あくまでも甘い「お菓子」限定。でもかつては果物のことを「水菓子」と呼んでいました。

 ちなみに生菓子は饅頭やようかんなど、主にあんこを使い、水分を多く含んだ甘いお菓子のこと。洋菓子も生菓子に含まれます。干菓子というのもあって、水分の少ないせんべいやボーロなど乾いたお菓子のことです。

 

甘味は人間が好む原始的な味覚

お菓子を現在のようにスイーツなどと呼んでいなかった頃は、お菓子といえば、「体に悪い」不健康な食べ物の代表的な存在でした。

「お菓子ばっかり食べていると虫歯になっちゃうよ」とか「体こわしちゃうよ」「お菓子なんか食べないでちゃんとご飯食べなさい」などと、幼少期に親から叱られた経験を持つ人は多いと思います。

その反動からなのか「大人になったら好きなだけお菓子を食べてやる」などと、強く思った人も多いでしょう。スイーツが食べ放題のホテルやお店が人気だそうです。6~7割の人が週に1回以上、スイーツを食べるといった調査もあるようです。

甘味は実は人類が誕生したときから、もっとも好まれる味なのだそうです。人間がいちばん最初に覚える味覚ともいわれます。

また、赤ちゃんには「甘ければ甘いほど好む」法則があるそうです。

赤ちゃんが無心にミルクを飲んでいる姿を見れば、そのことが容易に想像できます。

この甘味への興味は高齢になっても衰えない感覚なのだそうです。スイーツを食べることへの後ろめたさが、なんとなく和らぎそうですね。

 

人工甘味料に発がん性の指摘?

 そんな一途な「スイーツ愛」に水をさしかねない、心穏やかでない記事が新聞に出ていました(東京新聞/2023.7.14)。

 世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)が人工甘味料のアスパルテームに発がん性の可能性があるという見方を示したのだそうです。

 アスパルテームは1983年に当時の厚生省が使用を認めた食品添加物。甘さは砂糖の約200倍といわれ、少しの量でも甘味が出るので、低糖質、低カロリーをうたう飲み物やお菓子などに使われているようです。

 発がん性の可能性という指摘に一瞬、ドキッとしますが、それほど心配する必要はなさそうです。例えば1日あたりの摂取許容量が体重1キロ当たり40mgだそうで、普通に飲んだり食べたりする分には摂取許容量は超えないとされているようです。

最近の健康志向の高まりもあって、甘さ控えめとか、糖質オフとか低糖質をうたい文句にしたスイーツを食べることもあるでしょう。

 これを機会にパッケージに記されてある食品表示を見る習慣をつけてはいかがでしょう? その食べ物の経歴がよく分かります。

 

<参考>

*「食品衛生法 標示を要する生菓子類の定義について」(厚生労働省)

*「アスパルテームに関するQ &A」(食品安全委員会)

*「甘味と苦味の感覚の進化」(キリンホールディングス)

*「アスパルテームを使用した商品のL-フェニルアラニン含量について」(恩賜財団母子愛育会)

*「人工甘味料に発がん性指摘」(東京新聞/2023.7.14夕刊)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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