新型コロナ感染症の流行は人間を変えた?
徐々に日常が戻りつつあるとはいえ、なかなか収束の兆しが見えない新型コロナ感染症の流行。私たちの心や体にさまざまな影響を及ぼしているようです。
ウィズコロナの中、どんな変化が起きているのでしょうか。
コロナ禍、不安を感じている人は3〜5割
発生から3年を迎えた新型コロナ感染症。マスクの着用や外出制限、対面での会話自粛など、多くの行動制限が課せられてきました。
いつ感染するかもしれないことへの不安やおびえ、ストレスなどを抱えて、体や心にどんな影響があったのか。
厚生労働省は新型コロナ感染症が国民の心理面に与えた影響について調査しました(2021年11月)。
それによると「神経過敏に感じた」「そわそわ落ち着かなく感じた」「気分が落ち込んで、何が起こっても気が晴れないように感じた」など、なんらかの不安を感じている人は、調査した‘21年の4〜6月が46.6%、7〜9月が45.9%、10〜11月が27.3%でした。
前年の同じ調査では、不安を感じている人の割合が5〜6割でしたから減少傾向ではありますが、依然、多くの人がなんらかの不安を抱えながら生活していることがうかがえます。
「コロナ疲れ」を感じる人は7割以上
また、内閣府が行なった新型コロナ感染症が及ぼす生活意識や行動の変化についての調査(2021年4〜5月)によると、「コロナ疲れ」を「感じる」(33.7%)と「やや感じる」(37.9%)を合わせて7割以上でした。
年代別では20歳代の「感じる」(41.3%)と「やや感じる」(33.5%)を合わせると74.8%で最多。
30代の「感じる」(37.6%)と「やや感じる」(35.9%)の合計は73.5%。
40代は「感じる」(34.0%)と「やや感じる」(37.4%)の合計が71.4%。
50代は「感じる」(31.1%)と「やや感じる」(38.3%)の合計が69.4%でした。
若い世代ほど「コロナ疲れ」を感じるようです。
「コロナ疲れ」の定義はとくにはないそうですが、一般には新型コロナ感染症の広がりによって、マスクや手指の消毒、外出自粛など制限の多い生活を余儀なくされ、そのストレスによる心の不調を指すようです。
多くの国民が行動制限の中「コロナ疲れ」を感じているようです。
新型コロナの流行で性格が変わった?
新型コロナ感染症の流行によって、「人々の性格まで変わってしまった」というアメリカ・フロリダ州立大学の研究チームによる調査結果が新聞に紹介されていました(東京新聞/2022.11.2)。
調査は新型コロナウイルスによる世界的大流行の前と後でアメリカ人の性格の変化について調べたものです。
それによると大流行の前(2020年)は大きな変化はなかったものの、その後の2021〜22年には、30歳未満の若い世代で協調性や開放性、誠実性などが低下していたということです。
とくに「否定的感情に陥りやすい」傾向が強まっていたそうです。
新型コロナ感染症の心身への影響は国を問わず見られるようです。
今後、第8波の到来も予測されています。さらなる「コロナ疲れ」や「性格の変化」などが起きてしまうのでしょうか?
<参考>
*「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査」(厚生労働省)
*「第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(内閣府)
*「『コロナ疲れ感じる』」7割、20代が最多」(朝日新聞デジタル/2021.6.4)
*「コロナ流行で性格が変化」(東京新聞/2022.11.2)