ご存じですか? 女性に多い下肢静脈瘤
ふくらはぎなど、足の皮膚の表面近くを走る静脈がボコボコとコブ状にふくらむ下肢静脈瘤。
基本的に命に関わる病気ではないといわれていますが、やはり美容上気になる人も多いのではないでしょうか?
●見た目が気になる
下肢静脈瘤があると、足にうねうねとコブのようなものができたり、血管が浮き出て見えます。
見た目が悪いために素足になるのがためらわれ、短パンやスカートがはけないという声も多く聞きます。
外見上の問題だけでなく、足がむくむ、足がだるい・重い、ふくらんでいる血管が熱くなる、寝ているときにこむら返りが起こるなど、困った問題も起きてきます。
●女性は男性の2~3倍多い
下肢静脈瘤は、女性に多いトラブルで女性の患者数は男性の2~3倍ともいわれています。
患者さんは40歳頃から増えてきて、40歳以上の約9%の人に下肢静脈瘤がみられたという報告もあるそうです。
日本の患者数は1,000万人以上と推定されていて、出産経験のある女性の2人に1人が発症するというデータもあるそうですから、意外と身近な病気なのです。
●リスクファクターは?
足の静脈は負担が大きくて、血液の逆流を防ぐ弁がうまく働かなくなると、静脈内の血液がうっ血します。これが下肢静脈瘤です。
遺伝的に下肢の静脈弁が弱いと下肢静脈瘤になりやすいそうです。
両親に静脈瘤があったり、妊娠・出産を経験した人、40歳以上の女性、また長時間の立ち仕事や反対に座りっぱなしの仕事をしている人、運動不足の人は発症リスクが高まるといいます。
リスクファクターがいくつも当てはまる人も多いかもしれません。
●セルフケアと治療法
軽い場合は、病気の進行を抑えるために弾性ストッキングを着用したり、定期的に足を上げる、体操や足のマッサージを行う、毎日よく歩く、足を上げて寝るなどのセルフケアで改善することが多いそうです。
治療は弾性ストッキングによる圧迫療法や硬化療法といって注射による治療、また手術療法などいくつかの方法があるそうです。
最近は、医療用接着材で悪くなった血管を塞ぐ新しい治療法も登場し、さらに治療の選択肢が広がりました。
静脈瘤のタイプや状態によっても適切な治療法が異なるそうですから、医師と相談しながらすすめていけるとよいですね。
なお、下肢静脈瘤は心臓血管外科・血管外科が専門で診てくれるそうですが、形成外科や皮膚科、循環器内科でも診察を行うこともあるそうです。
最近は専門クリニックもできているそうです。
どこを受診してよいかわからないときには、かかりつけ医に聞くのもひとつの方法です。
<参考>
※『ウィメンズ・メディカ』(小学館)
※「下肢静脈瘤に新治療法」(東京新聞/2022.10.18)
※『家庭医学大事典』(小学館)