ちょっとした心がけでできる食品ロス削減の取り組み
SDGs(持続可能な開発目標)達成目標の取り組みの一つに食品ロスがあります。
食べ残しや賞味期限切れなど、日本ではまだ食べられるのに捨てられてしまう食品ロスが多いといわれていいます。
今回は、食品ロス削減について考えてみました。
食品ロスの約半分は家庭から
日本の食品ロスは年間約600万トン。これは国民全員が、毎日お茶碗1杯分の食品を捨てていることに匹敵する量だそうです。食べ物を大量に捨てることは、もったいないだけでなく地球温暖化の原因につながっていくといわれています。
食品廃棄というと、コンビニやスーパー、飲食店など事業系で行われるイメージがあるかもしれません。けれども、日本の食品ロスの内訳は、事業系は年間324万トン(54%)で、家庭系からは276万トン(26%)。食品ロスの約半分は家庭から出ていることになります。
家庭でできる食品ロス対策
消費者庁が徳島で行った調査によると、家庭で捨てられやすい食品ベスト3は、1位:主食(ご飯、パン、麺類)、2位:野菜、3位:おかずで、捨ててしまった理由は「食べきれなかった」「傷ませてしまった」「賞味・消費期限が切れていた」と続きます。
「確かにこういうことあるなぁ」と、うなずいている人もいるのではないでしょうか?
もったいないと思いながらも、つい出てしまうのが食品ロス。
食品ロスを減らす対策として消費者庁は「家にある食材をチェックしてから買い物に行く」「家にある食材を優先的に使う献立を考える」「使いきれる分だけ買い物をする」ことなどをすすめています。
食品は陳列棚の手前から取る
もうひとつ私たち消費者が考えたいことがあります。それが買い物をするときの行動です。
スーパーやコンビニエンスストアなどで、陳列棚の奥から賞味・消費期限の遠い食品を選び出して買っていませんか?
自分だけと思いがちですが、みんなが同じように行動すれば、手前にある商品はいつまでも売れ残ってしまい、最後には廃棄されることになります。
事業系の食品ロスのうち小売店ではこの「期限を超えたなどで販売できなくなった」というのも大きな要因だそうです。
消費者庁では、すぐに食べるものは、賞味期限や消費期限の長い商品を選択するのではなく、陳列順に購入することをすすめています。
また食品ロスを削減するため、コンビニエンスストアやスーパーでも手前から商品を取る「てまえどり」運動が展開されています。
お買い物のときに陳列棚の前から商品をとるだけで、食品ロスを減らすことができるのですから、買い物時はちょっと心がけたい行動ですね。
賞味期限と消費期限の違いを知る
ところで、食品には賞味期限と消費期限が表示されていますが、両者の違いがよくわからないという声もよく聞きます。
賞味期限とは「おいしく食べられる期限」のことで、賞味期限が過ぎても食べられなくなるわけではありません。
スナック菓子やインスタント食品、缶詰、飲料など比較的劣化が遅い食品に表示されています。いつまで食べられるかの判断は消費者にゆだねられています。
一方消費期限は、肉や魚、総菜、弁当、調理パンなど、早く消費してほしい食品に表示してあるもので、消費期限を過ぎたら食べない方がよいとされています。
その違いをよく知って、食品を安易に廃棄しないようにしたいものですね。
まずは私たちができる身近なところからSDGsに取り組んでみませんか?
<参考>
※「食品ロス削減について行動する」(消費者庁)
※「食品ロスポータルサイト 消費者向け情報」(消費者庁)
※「食品の期限表示に関する情報」(消費者庁)
※「食品ロスの現状を知る」(aff2020年10月号 農林水産省)
※ニュースリリース「小売店舗で消費者に「てまえどり」を呼びかけます」(消費者庁 令和3年6月1日)
※「もったいない! 食べられるのに捨てられる『食品ロス』を防ごう(政府広報オンライン)