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PLUS COLUMN

コロナストレスと血圧

新型コロナウイルスのデルタ株の蔓延で、まだまだ続きそうな自粛生活。

普段とは違う生活スタイルが長期化して、ストレスが溜まっているという人も多いのではないでしょうか?

そのストレスと深い関係にあるといわれているのが血圧です。

今回は、ストレスと血圧について考えてみました。

 

コロナ禍での仕事は半数以上がストレスに

オムロン ヘルスケア株式会社が、現在もしくは1年以内に高血圧治療中または高血圧と診断された40代~60代の働く男女を対象に、コロナ禍の仕事および日中のストレスについて、また日常生活や血圧の変化について意識調査を実施しました。

それによると、コロナ禍の仕事においてストレスを感じることが増えたと答えた人は56.1%。半数以上にものぼっているのです。

その理由のトップは「会食やイベントの制限(45.4%)」、次いで「上司や同僚との会話が減ったこと(23.6%)」、「オンライン会議が増えた(17.6%)」続きます。

 

ストレスとともに血圧も上昇

また、日中にストレスを感じたときに、血圧が上がっていると感じた人は2人に1人。実に52.4%にのぼりました。

その一方で、日中に血圧を測定している人はわずか13.2%にとどまりました。

なお、この1年で血圧の平均値が上がったと混じている人は12.2%で、年齢別にみると40代女性が血圧上昇を感じる割合が高かったそうです。

血圧上昇の要因については「運動不足」「ストレスの増加」「体重増加」がトップ3でした。

どの要因もコロナ禍では思い当たることばかりではないでしょうか。

 

職場高血圧とは

ご存じの方も多いかと思いますが、血圧はいつも同じ値ではありません。ちょっとした動作やストレスの影響でも上昇するといわれています。

たとえば職場高血圧というものあります。仕事のストレスによって血圧の上昇度が高いタイプのものだそうです。病院の診察室や健康診断では、血圧は正常値を示すのに、家庭血圧が高い「仮面高血圧」の一つだとされています。

そのために健康診断などで見逃されがちですが、知らない間に高血圧の状態が続くと動脈硬化が進んでしまうといわれているので注意が必要です。

 

家庭で血圧を測ろう

家庭で血圧を測る習慣がない人が多いと思いますが、近年では家庭での血圧の測定が重視されているといわれています。

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が増えて、職場以上のストレスを感じるという声も多く聞きます。高血圧は自分には関係ないと思っている人も、ストレスや緊張でいつの間にか高血圧状態が続いていることがあるかもしれません。

自分は大丈夫と思わずに、家庭でも血圧を測る習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

 

イライラ時は大きな深呼吸

仕事をしていると、イライラしたりあせったりすることも多くあるものです。

こんなときには、ゆっくり大きく吐くことを意識した深呼吸をしてみましょう。

深呼吸は自律神経と整えて一時的にでも血圧を下げる効果があるそうです。試してみてください。

 

 

<参考>

※【高血圧の働く男女1000名に調査】 「2人に1人が『コロナ禍で仕事ストレスが“増えた”』『日中のストレスで血圧上昇を感じた』と回答」(オムロン ヘルスケア株式会社)

※「仕事をしている時に高くなる『職場高血圧』とは、どういうものですか?(健康コラム・レシピ オムロン ヘルスケア株式会社)

※「高血圧Q&A」(武田薬品工業株式会社)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。