
あらためて見直したい牛乳の力
突然ですが、みなさんは牛乳を飲む習慣はありますか?
学校給食の定番である牛乳ですが、大人になったらあまり飲まなくなったという人も多いかもしれません。
でも、実は牛乳にはいろいろなパワーが秘められているようです。
日本人は総じてカルシウム不足
牛乳には良質の動物性たんぱく質をはじめとして、各種ビタミン、ミネラルなど、栄養的に極めて優れた食品として、古くから親しまれてきました。
なかでも注目したいのが、日本人の全世代に不足しがちだといわれているカルシウムの摂取量。
カルシウムの推奨摂取量は、年齢によっても異なりますが、日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると、18歳~64歳までの男性は750mg~800mg、女性は650mgです。
牛乳はカルシウム含有量・吸収率が高い
牛乳は1本には、牛乳1本(200ml)には約220mgのカルシウムが含まれているといわれていますから、ほかにもチーズやヨーグルトなどの乳製品をはじめ、小松菜や魚介類などカルシウム豊富な摂取していると、カルシウムの1日の推奨量に近づきやすくなるといわれています。
牛乳はまたカルシウムの吸収率がよいことでも知られていますから、女性はとくに積極的にとって、骨の健康をキープしたいものですね。
熱中症に負けない体づくりは運動+牛乳
熱中症に負けない体をつくるためには、本格的な夏がくる前にインターバル速歩などややきついと感じる運動を15分~30分行うとよいといわれています。最近の研究によると、この運動直後に牛乳を摂取すると、血液量が調整されて熱中症のリスクを下げるという報告があるそうです。
筋肉量UP・メタボ対策にも!?
さらに、運動後30分以内に筋肉の材料となるたんぱく質を摂取すると、効率的に筋肉量がアップするといわれていますから、牛乳は筋肉づくりもひと役買ってくれそうです。
さらに、最近では乳製品摂取回数が増えると、メタボリックシンドロームのリスクが減少することも示唆されているようです。
乳糖不耐症の人は飲み方の工夫を
栄養にも富んでいる牛乳ですが、牛乳を飲む上でネックとなるのが、乳糖不耐症の問題です。
乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる乳糖という成分がうまく消化できない人に起こる症状で、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり下痢をしたりします。
そのため、牛乳は飲みたいけれどつい敬遠してしまう、とい人もいるかしれません。
牛乳や乳製品生産者団体やメーカー団体で構成するJミルクでは、乳糖不耐症の人には、「数回にわけてゆっくり飲む」「あたためてゆっくり飲む」「毎日飲む習慣をつける」「料理にプラスする」「牛乳のかわりにヨーグルトやチーズを食べる」ことなどをすすめています。
おなかゴロゴロが嫌で牛乳を敬遠していた人は、試してみてください。
また最近では国内の臨床試験で乳糖不耐の人でも、牛乳を最初は少量から始めて少しずつ量を増やして飲み続けることによっておなかをこわさず飲めるようになるという結果が報告されたそうです。
「牛乳=太る」は誤解
なお、牛乳を飲むと太るといわれていますが、大規模な疫学調査で牛乳を長期間飲んでも体重の増減に影響を与えないことがわかったそうです。
体重が気になる人も、牛乳パワーを見直してみませんか?
<参考>
※日本人の食事摂取基準(2020 年版)(厚生労働省)
※「牛乳の気になるウワサをすっきり解決」(一般社団法人Jミルク)
※「牛乳は熱中症を防いでくれる強い味方です!」(一般社団法人Jミルク)
※「牛乳を飲んでも大丈夫?」(骨粗鬆症財団)
※「運動×ミルクプロテイン熱中症対策!」(株式会社 明治)
※『食の医学館』(小学館)