
心がもやもや。気分がどんより。コロナうつにご用心
秋が深まってくると、なんとなくうつうつとしてしまう、なんていうことはありませんか?
秋から冬にかけては、メランコリックな気分になりがちですが、今年はコロナ禍にあって、心の不調を訴える人が増えているようです。
日照時間とうつ状態
秋から冬にかけて、気分が落ち込みやすいのは、日照時間の不足が関係していると考えられています。
脳内で分泌される神経伝達物質のセロトニンは、気分を安定させる働きがあります。このセロトニンは、日光を浴びることで分泌されます。
太陽の光が少なくなる秋、冬はセロトニンの分泌が減ってうつ状態になりやすいと言われています。
コロナ禍による影響も
加えて今年は、新型コロナの感染が収まらずコロナ禍による生活環境が激変しました。
これまでとは違った生活を送るようになった人も多いらしく、新型コロナに関連して不安やイライラを訴えるいわゆる「コロナうつ」を訴える人が増加しているそうです。
厚労省もメンタルヘルスに関する調査を始めたようです。
どんよりした気分になりがちなこの季節は特に注意。
心の不調に負けないよう、対策を講じておくことが大事です。
セロトニンを活性化させる生活術
季節性のうつ状態の対処法としては、できるだけ日光を浴びて、バランスの良い食事をすること。食事では、特にセロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンを増やすためにタンパク質を意識的にとると良いと言われています。
また、一定のリズムで体を動かすウォーキングなどの運動は、セロトニン活性のために大変効果的であることが知られています。
なんとなく気分がうつうつしているときは、日常生活を見直してセロトニンの活性化を心がけて見ませんか?
不安の内容を明確化してみる
気分の落ち込みだけでなく、漠然とした不安があるという人もいるかもしれません。
解決のヒントが東京新聞(2020.9.29付)に紹介されていました。
記事によると、愛知医科大学病院の精神科医・藤野智哉先生は「不安の正体を明確にすることが大事」だと指摘しています。
先生によるとまず「不安を紙に書き出し、『対処できること』『対処できないこと』に分け、それを『世の中の出来事には自分で解決できることばかりではない』という認識のもと、できないことは諦め、どう受け入れるか考える手法が有効」だということです。
ひとりで抱え込まずに相談を
長引くコロナ禍では、体の健康とともに心の健康も重要です。
いろいろ試してみても心のもやもやが晴れないときには、住んでいる自治体の精神保健センターや民間の心の悩みの相談窓口に相談してはいかがでしょう。
<参考>
*『家庭医学大事典』(小学館)
*『こころの医学事典』(講談社)
*「コロナうつ 対処法は?」(東京新聞/2020.9.29)