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PLUS COLUMN

【New】蚊にも好みがある?

蚊によく刺される人もいれば、あまり刺されない人もいます。

蚊にも好みがあるのでしょうか? 

蚊対策について考えてみました。

 

1本の針を武器に人間をおそう?

 人類にとって「最大の敵」にして「最強の殺人者」とおそれられる蚊ですが、体長はわずか4~5ミリ程度。

 さらにその武器はたった1本の針。

 太さといったら0.08ミリといいますから、ほぼ女性の髪の毛と同じくらいの太さしかありません。

 そんな敵と呼ぶにはあまりにもか弱い蚊ですが、細く頼りない1本の針を武器に、日々、夜な夜な、私たちを悩まし続ける憎たらしい存在でもあります。

 

血を吸うのはメスだけ?

 蚊にも当然ながらオスとメスがいます。

 どっちが刺すでしょうか?

「どっちも血を吸うんじゃないの?」

 ……残念。ご存知の方もいるでしょうが、血を吸うのはメスの蚊。

 それも産卵期のメスだそうです。

 産卵に必要なタンパク質を摂取するためだということです。

 殺虫剤で有名な「アース製薬」のHPに紹介されていました。

 1回の吸血で自分の体重と同じ量の血を吸うらしいです。

 おなかをパンパンにふくらませた蚊が、上下左右にフラフラと飛んでいる光景を見たことありませんか。

「あ、やられた!」と思ってもあとの祭り。

 ではオスの蚊は何を吸っているのでしょうか?……花の蜜や果汁だそうです。

 ……他の昆虫と変わりません。

 

二酸化炭素と汗と体温を感知

 蚊に刺されやすい人と、そうでない人がいるとよくいわれます。

 蚊は何に惹きつけられるのでしょう?

 1つめは「二酸化炭素」。口から吐き出される二酸化炭素に蚊は敏感だそうです。

 特に運動後や酒を飲んだ後などは、息が荒くなりそうなので要注意。

 2つめは「汗」。汗に含まれる乳酸に反応するらしいです。

 3つめは「体温」。体温にも敏感に反応するらしいので、平熱が比較的高めの人は蚊にねらわれやすいかも……。

 また、黒っぽい服を着ていると刺されやすいともいわれます。

 O型の血液型の人も刺されやすいといわれますが、まだよく分かっていないようです。

 

低炭酸ガスに低体温、汗をかかない?

 蚊に刺されにくい人になる方法は?

 二酸化炭素をあまり出さず、体温が低めで、汗をかかず、酒を飲まず、運動を控えて、白い服を着て……ということですが、そんなことが全部可能かどうか……?

 やっぱり、結局、殺虫剤や虫除けスプレーを使うのが手っ取り早いようです。

 でも、なぜ虫除けスプレーをひと吹きするだけで蚊が寄ってこないのか?

 それは「ディート」や「イカリジン」という成分にありました。

 これで蚊の感覚がマヒして、体温や二酸化炭素を感知できなくなるらしいです。

 古くは蚊帳、蚊取り線香、そして虫除けスプレー……人間と蚊の熱い闘いは、この先も続きそうです。

  

<参考>

*「蚊の駆除・対策」(アース製薬)

*「髪の知識」(花王)

*「虫刺され 甘く見ないで」(東京新聞/2020.8.4)

 

 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。