
身近な食品「卵」と食中毒のお話
ジメジメ・ムシムシ……高温多湿の梅雨時から夏場にかけては、食中毒が気になりますね。
今回は身近な食品である卵と食中毒のお話です。
食中毒の季節。卵の扱いに注意
どこの家庭の冷蔵庫にもだいたいあると思われる、身近な食品の1つが「卵」。
良質なたんぱく源であり、ビタミンやミネラルも豊富。
しかも安価でどんなお料理にも使える点がうれしいところです。
食品の優等生といわれる卵ですが、実は、食中毒の原因菌であるサルモネラ菌の感染源としても知られています。
現在、日本で市販されている卵のほとんどは生で食べることを想定しているので、賞味期限の表示があり、出荷前にしっかりと衛生管理を行っていることから、昔と比べて卵によるサルモネラ菌の食中毒は減っているようです。
それでも高温多湿の時期は、やはり卵の使い方に注意が必要です。
どうすれば食中毒を防げるのでしょうか?
家に持ち帰ったら冷蔵庫の温度の安定した場所に保管
そのポイントとなるのが、保存方法と調理。
□食中毒の事例の多くは、不適切な保存方法や料理が原因で起こるといわれています。
まずは、新鮮な卵を買うのがいちばんですが、せっかく新鮮な卵を買っても高温のところに置きっぱなしにしてはダメ。
家に持ち帰ったら、卵の保存方法に注意しましょう。
食品衛生法では、生食用殻付き卵は10℃以下で保存すると望ましいとされています。
これから夏にかけて、気温の高い季節は、帰宅したらほかの生鮮食品と同様にすぐに冷蔵庫に入れることをおすすめします。
ちなみに、冷蔵庫のドアポケットに卵を置くスペースが設置されている冷蔵庫もありますが、扉の開閉で卵にヒビが入ったり、温度の変化で卵が劣化しやすいといわれているので気を付けて。
冷蔵庫の中の温度の安定した場所に、パックごと保存するとよいといわれています。
賞味期限が過ぎたら加熱調理を
卵にある賞味期限は「生で食べて安心できる期限」だそうです。
期限が過ぎた卵は、中までしっかり加熱して食べるようにしましょう。
また、割った卵は放っておくと細菌が繁殖しやすくなるそうですから、卵は使う直前に割るのがポイントのようです。
気が付いたら卵の殻にひびが入っていた、などというのもよくあること。
こんなときは生で食べることは避けて、十分に加熱調理して食べたほうがよいそうですよ。
卵の豆知識
ちなみに卵には、赤玉と白玉があって、卵の殻が白いものよりも赤玉のほうが栄養価が高いような気がしますが、卵の殻の色の違いは、鶏の種類によるもので、栄養の差は特にないのだとか。
また、卵の黄身の色についても、色が薄い卵黄と色の濃い卵黄とでは栄養価に差はないそうですよ。卵黄の濃淡は与える飼料によって出てくるのだそうです。
コロナ感染症の影響で「おうちご飯」を楽しむ人も増えていることと思います。
卵の扱い方に気をつけて、おいしく安全に卵料理を楽しみたいものですね。
<参考>
*「卵の衛生的な取り扱いについて」(公益社団法人 日本食品衛生協会)
*「卵のはなし」(東京都衛生局)
*「タマゴQ&A」(日本卵業協会)
*「JA全農ひろしまの卵ひろば 卵のQ&A」(JA全農ひろしま)