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やっぱり納豆はスーパーフーズだった!?

納豆は、大豆に納豆菌を加えて発酵させた日本の伝統的な発酵食品。

昔から健康食として好まれてきましたが、このたび日本の大規模疫学研究でもその効果が明らかになったそうです。

 

発酵性大豆食品摂取と死亡リスクの研究

 日本の国民食ともいわれる納豆。

みそ汁や漬物と共に日本の朝ごはんには欠かせない1品かもしれません。

 その納豆を1日1パック程度食べる人は、食べない人に比べて死亡リスクが下がるという調査結果が国立がん研究センターの研究チームによって発表されています。

 この研究は、納豆や味噌などの「発酵性大豆食品」の摂取量と死亡リスクとの関連を調べるために、循環器疾患にかかったことのない男女約9万人を対象におよそ15年間にわたって追跡調査したもの。

 調査結果によると、発酵性大豆食品の摂取量が多いと死亡リスクが下がることが明らかになったそうです。

 

納豆で死亡リスク低下?

特に納豆の摂取量が多いほど循環器疾患死亡のリスクが低下する傾向がみられたとのこと。「発酵大豆食品は日本特有の食品でもあり、日本人の長寿の要因の一つかもしれない」としています。

昔から「納豆を食べていると医者いらず」などといわれていたそうですが、この研究調査によっても納豆の健康効果が明らかになった形です。

 

豊富な栄養素。納豆は食の優等生

 納豆は、高タンパク、高アミノ酸。しかも、大豆には少ないビタミンB2を非常に多く含んでいるそうです。

 さらに納豆特有の成分としては、血液サラサラにするナットウキナーゼがあります。

 ほかにもイソフラボンやビタミンKが豊富に含まれているそうです。

 

骨粗鬆症対策にも

 ビタミンKはカルシウムが骨へ沈着するのを促して、骨からカルシウムが流出するのを抑える効果がある栄養素。骨粗鬆症予防に効果があることが知られています。

実際、納豆の消費量と大腿骨頸部骨折(股関節近くの骨折)の頻度には相関関係があって、納豆の一人あたりの消費量が多い県ほど、大腿骨頚部骨折頻度が低い傾向があるという調査報告があるそうです。

骨の健康が気になる女性は、納豆は積極的に摂りたい食品の1つですね。

 とはいえ、納豆は意外と高カロリーが高いようです。健康によいからといって食べ過ぎには注意を。

毎日1パックを目安に、バランスよく食べたいものですね。

 

<参考>

*「多目的コホート研究 大豆食品、発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連」(国立がん研究センター)

*「食の医学館」(小学館)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。