
笑うだけで幸福になれる?
最近、笑っていますか?
暗い話題ばかり続いて、ややもすると気持ちが沈みがちになってしまうときこそ、笑いが必要。
自分ばかりでなく周囲も明るくなります。
「必笑」がモットーの学校?
今年は「夏の甲子園」つまり全国高等学校野球選手権大会が中止だそうです。
例の新型なんとかという病原体が原因だそうです。
蚊取り線香、花火とともに日本の夏の風物詩の甲子園ですが、その常連ともいえる石川県の星稜高校野球部は、ユニークな標語を掲げているそうです。
「必笑」……あちこちで取り上げられた話題なのでご存知の方も多いでしょう。
実際、どんなピンチのときでもテレビに映る選手たちは笑っていました。
白い歯が眩しい笑顔が、追い込まれた試合の状況となんともミスマッチで、思わず「大丈夫か?」と心配になったものでした。
笑顔の結果は、ご存知の通り……。
笑いの効用は無限?
笑いが健康に及ぼす効果については、いくつもの研究や考察がされているようで、書籍や雑誌、ネットなどで盛んに紹介されています。
よく知られているのは、笑いとナチュラルキラー(NK)細胞の関係でしょうか。
がん細胞を攻撃するNK細胞が、笑うことで活性化するというのです。
また、笑いで血糖値の上昇を抑制できたといった研究や、よく笑う高齢者の方が認知機能の低下が小さかったという報告もあります。
笑いがリラクセーション効果を発揮するといったこともいわれます。
日頃から笑いのある生活を送ることでストレスに強くなれるという専門家もいます。
作り笑いでも同じ効果が?
鉛筆が転がっただけで腹を抱えて、体をよじって、涙が出るほど笑い転げていた思春期のころ。
何が、どうしてそんなにおかしいのか、思い出すことさえ困難なあのころに比べて、「いつ笑ったけ?」と思い出すことさえ難しい、日常から笑いを失った大人といわれる今……。
でもご安心ください。
作り笑いでも本当の「笑い」の効果が見込めるそうです。
笑顔には笑顔のミラーニューロン
ちょっと口角を上げるだけで、目尻が下がり、目のまわりの表情筋が動いて笑顔ができます。
そんな作り笑いでも脳が刺激されて、楽しいといった感情が引き起こされるという研究報告もあるようです。
笑顔には笑顔……「相手の仕草を見て反応するミラーニューロン」の働きで、鏡に写したように相手も笑顔を返してくるといいます。
試しにお家とか職場とか友達相手に「にっこり」とやってみてください。
笑いの輪が広がっていくといいですね。
<参考>
*「笑いの健康効果」(公益財団法人・長寿科学振興財団 健康長寿ネット)
*「脳はなにかと言い訳する」(新潮文庫)
*「社説・笑って損した者なし」(東京新聞・2019.8.25)