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【New】食中毒とは無縁のカラスは究極のグルメ?

食中毒が心配な季節になりました。

冷蔵庫に買いだめした食品が眠ったままになっていませんか? 

せっかく買った食べ物を台無しにしないために庫内のチェックを。

 

家食での食中毒に注意

 時節柄でしょうか、できるだけ外食を避けて自宅で食べる習慣が定着した印象があります。

 素材から調理して食べることを内食(ないしょく・うちしょく)とか家食(いえしょく・うちしょく)と呼ぶそうです。

 中食(なかしょく)というのもあって、こちらは惣菜や弁当を買って帰り、家で食べることを指す言葉だそうです。

 レストランなど外で食事する外食に対して生まれたこれらの言葉ですが、いずれの食事スタイルにしても、これからの時期、食中毒には注意したいです。

 

食中毒患者数の9割は細菌とウイルス由来

 食中毒の原因には細菌、ウイルス、植物や動物の毒(自然毒)、寄生虫、化学物質など様々あるようですが、食中毒のほとんどを占めるのが、やはり細菌とウイルスということになるようです。

 厚生労働省によると、2019年の食中毒の患者数は1万3,018人で、そのうち36%は細菌によるもの、54%がウイルスで、残りが自然毒や寄生虫などによるものでした。

 最近は殺菌とか滅菌とかいうことで、すっかり駆除の対象になってしまった細菌やウイルスですが、良い悪いも含めて、こういった生き物というか半分生き物めいたものとともに人間は暮らしているんだなあとつくづく思います。

 

細菌性食中毒は夏に多い?

 細菌が原因の食中毒は夏に多く発生するといわれ、厚労省によれば細菌性食中毒患者の5割以上が6~9月に集中しています。

 カンピロバクター(主な原因食品/鶏刺し、鶏わさなど)やサルモネラ(鶏肉や卵、牛レバー刺しなど)、黄色ブドウ球菌(乳製品、卵製品、魚肉練り製品、弁当、にぎりめしなど)などが有名です。

 他にも腸炎ビブリオ(刺し身、寿司、魚介加工品など)、腸管出血性大腸菌/O-157(生肉など)、ウエルシュ菌(カレー、煮魚、野菜の煮付けなど)、セレウス菌(ピラフ、スパゲッティ、肉類、弁当など)、ボツリヌス菌(缶詰め、瓶づめ、レトルト食品、真空パック食品、ハチミツなど)などがあります。

 

夏でもウイルスの食中毒にご用心?

 ウイルス性の食中毒ではノロウイルスがよく知られています。

 厚生労働省によると細菌を含めた年間の食中毒の約半数はノロウイルスによるものだそうです。

 ノロウイルスは冬が多いといわれていますが、夏でも安心はできず、厚労省によると6~9月にかけて400人近くが感染しています。

 他に気になるのは寄生虫による食中毒。特にアニサキスが原因のケースは季節を問わず発生しているようです。

 2019年に336件発生し、食中毒全体の3割以上を占めています。

 

生ごみをあさるカラスはグルメ?

 厚労省によると、食中毒の予防のためには原因菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」が3原則だそうです。

 ところでゴミ袋の残飯、生ごみをあさることで有名なカラスは、食中毒を起こさないのでしょうか?

 残飯、生ごみには多くの細菌が付着していると思いますが……。

 実はカラスはいつも細菌の多いものを食べているので、強い免疫力を獲得したのではないかということです。

 また、食べ物が食道に入るとすぐに胃液で殺菌される体の構造なので、食中毒を起こさないのではないかと考えられているようです。

 そんな悪食というか食いしん坊なカラスですが、腐乱した動物の死体は食べないということです。

 カラスも意外とグルメなんですね。

 

<参考>

*「令和元年(2019年)食中毒発生状況」(厚生労働省)

*「食中毒」(厚生労働省)

*「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」(環境省)

*「カラス 食中毒の心配は?」(東京新聞/2020.9.23)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。