
春の朝寝坊に最適な寝具は?
よく眠れていますか? 「睡眠に勝る薬なし」などとよくいわれます。よい眠りは健康の秘訣でもあります。快適な睡眠について考えてみました。
春は朝寝坊の季節?
立夏を迎えても気分はまだ春。
「春眠不覚暁」という有名な漢詩の一節がありますよね。
「春の夜は短いうえに寝心地がよく、朝になってもなかなか目が覚めない」といった意味(大辞泉・三省堂)だそうです。
ここから「春の夜や明け方の心地よい眠り」を意味する「春眠」という言葉も生まれたようです。
まさに春は朝寝坊の季節ですね。
「睡眠は、日本人が最も完成された技の域にまで高めているものの一つである」とアメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトが著書『菊と刀』で指摘しています。
寝るのは日本人の特技なのだそうです。
睡眠不足は万病のもと?
もっとも世界中の老いも若きも、男女を問わず、ほとんどの人は人生の3分の1を寝ています。
睡眠は健康の基本とよくいわれますが、そもそも睡眠は、なぜ必要なのでしょうか?
簡単にいえば、脳と体に十分な休養を与えるほか、記憶を整理したり、免疫機能を高めたりといったことに深くかかわっているのだそうです。
「睡眠に勝る薬なし」といわれるように、病気を予防する観点からも健やかな睡眠は必要不可欠というわけです。
春眠には羽毛掛けふとん1枚で大丈夫?
「寝床内気象(しんしょうないきしょう)」については以前に書きました。
ふとんをかぶったときに体と寝具の間にできる空間の温度と湿度のことですが、その数値が、温度33度±1度、湿度50%±5%が快眠には最適なのだそうです(日本睡眠科学研究所HPより)。
春眠の時期であれば、室温が15度前後と仮定して、ふとんは羽毛の掛けふとん(1.2kg入り)1枚が目安のようです(同研究所HPより)。
寝床内気象はもちろんですが、寝室の広さや色彩、照明や音などの外的な要因も快適な眠りには大切だということです。
合い掛けふとんって?
一番厚いのを掛けふとん(地域によっては本掛けふとんともいうらしい)以外にも、ふとんの呼び方はありますが、夏用の薄いふとんをなんと呼ぶでしょうか?
そう、肌掛けふとんといいますね。
では、春や秋に重宝するやや薄めのふとんのことは?
合い掛けふとんというらしいです。
ちなみに肌掛けふとんと合い掛けふとんを合わせると、1枚の掛けふとんとほぼ同じ重さになるのだそうです。
この細かい布団の分類、寝るのが特技の日本人らしい発想ですね。
<参考>
*「寝室環境・寝床内の研究」(日本睡眠科学研究所)
*「菊と刀」(講談社)