プラスコラム
PLUS COLUMN

マスクで感染症は防げるのか?

今回の新型コロナによるマスク騒動はおさまるどころか、さらに勢いを増しているかのようです。

マスクをすることで感染をどこまで防ぐことができるのでしょうか?

 

マスクを求めてパニックが起きている?

マスクを求め行列する人々の映像が連日テレビで流されています。

さらにマスクに次いで今度はトイレットペーパーに人々は列を作り、店の棚から紙製品が消えたと多くのメディアが報じます。

自制を訴えるはずのテレビやラジオ、新聞が人々の不安を煽っているかのようです。

マスクを求めて暴力行為も起きているようで、パニックといっていいかも……。

それほどまでして必死に買い求めているマスクですが、実際に感染症の予防に効果があるのでしょうか?

 

外でのマスクは予防効果がない?

いまや外出時の必需品と化しているマスク。電車やバスの中はもちろん、街を歩いていてもマスクをつけた人が目立ちます。

でも、マスクをしていれば新型コロナウイルスによる感染を防げるのでしょうか?

厚生労働省のHP(新型コロナウイルスに関するQ&A)によると、「(自身の)予防用にマスクを着用することは、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防と考えられています」とあります。

満員電車やバス、混雑した建物内などでは、マスクによる感染予防はそれなりにあるということのようです。

では屋外の場合はどうでしょうか。

同HPでは「屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる予防効果はあまり認められていません」としています。

外でのマスクは予防効果がないようです。

 

マスクは「せきエチケット」の必需品?

「せきエチケット」ってありますよね。

今回の新型コロナウイルスも感染者のせきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)で感染が広がるといわれています。

厚労省は「3つの正しい咳エチケット」をHPで紹介しています。

「マスクをする」「ティッシュやハンカチで口や鼻をおおう」「上着や袖、肘の内側で鼻や口をおおう」の3つです。

せきやくしゃみが出るとき、口や鼻を手でおさえる人をよく見かけますが、効果はなく、ウイルスが手指の隙間から周囲にまき散らされる危険があるといいます。

さらにウイルスが付着した手指であちこちさわると、そこから他の人に感染が広がる可能性もあるということです。

なかには何もしないで、せきやくしゃみをする人もいます。

飛沫は約2メートルも飛ぶといわれます。ウイルスを含んだ飛沫が周囲に広がり、病気をうつすことも考えられます。

 

マスクの装着法は人によりマチマチ?

マスクが感染を広げない、予防するために一定の効果があることは分かりましたが、肝心のマスクの装着の仕方はマチマチです。

やはり鼻と口の全体をおおった人が多いですが、なかには口だけおおって鼻を出した人、あごに引っ掛けただけの人、鼻やほっぺた部分に大きな隙間ができている人、サイズが小さい、大き過ぎる人などじつに多彩です。

またマスクの上下はともかく、表と裏が気になる人もいるようです。

「耳ヒモが付いているほうが外側」と先日、あるテレビ番組で司会者がいっていました。

「え~、逆に付けていた」と出演者の多くがこのコメントに驚いていました。

でもマスクの表裏はタイプによって違いますから、説明書を読むのがいいようです。

いまや貴重なマスク。間違った使い方をして1枚たりとも無駄にしたくないですね。

 

<参考URL>

*「咳エチケット」(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html

 

*「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q14

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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