健康診断を知る
CHECKUP GUIDE

便の検査尿・便の検査

検査名称

便潜血反応、寄生虫卵

基準値

便潜血反応 陰性(-)
寄生虫卵 陰性(検出されない)

どんな検査?

便は、摂取した食べ物が胃や腸などの消化器官をとおり、栄養分や水分が消化吸収されたあとに排泄されるものです。消化器官の病気の手がかりを得るためや寄生虫の有無を探るために便を調べます。

検査で何がわかる?

便潜血(せんけつ)反応

大腸がんの早期発見に有効な検査です。採取した便の中に血液が混入していないかを調べます。現在は、免疫学的便検査といって、人間の血液中のヘモグロビンに反応する薬を使って検査します。
検査結果が陽性(+)の場合は、大腸(直腸・結腸)のがん・ポリープなどが疑われます。そのほか、潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)やクローン病、痔、白血病や紫斑(しはん)病などの血液の病気が疑われます。再検査が必要です。2回便をとり、2回とも陽性の場合には、大腸ファイバー検査などの精密検査が必要です。

便潜血検査は、最近ふえている大腸がんのスクリーニング(ふるい分け)として優秀な検査です。便潜血検査を受けている人は、大腸がんで死ぬ確率が7割下がるともいわれています。痛みもなく受けられる検査なので、積極的に受けましょう。
内科検査は、35歳くらいまでは2~3年に1回受ける程度でもかまいませんが、35歳からは、年に1回定期的に受けましょう。

寄生虫卵

近年は、衛生環境がよくなったことから、日本国内での寄生虫感染はきわめて少なくなりました。しかし、海外に行く機会が多くなったことによって、現地で感染するケースが増えています。また、生野菜やペットから感染することもあります。
寄生虫感染症のおもなものには、線虫類(回虫、鉤虫(こうちゅう)、蟯虫(ぎょうちゅう)など)、条虫類(広節裂頭条虫(こうせつれっとうじょうちゅうなど))、吸虫類(肺吸虫、横川吸虫など)があります。
寄生虫は、人の胃や腸などで繁殖します。寄生虫の一部、あるいは卵が便に混じって排出されるので、便を採取して検査します。ただし、蟯虫は肛門の周囲に産卵するので、特殊なテープではがし取る肛門検査をします。
検査で、寄生虫の1部、あるいは卵が1つでも発見されれば陽性ということになります。 早期に発見されれば、駆虫薬の服用で治るケースがほとんどです。