プラスコラム
PLUS COLUMN

WHOが疾病認定?! ネットゲーム依存症は病気か否か

「ついに」というか「ようやく」というか、

ネットゲーム依存に対する危機感が世界的に広まり、

WHO が疾病つまり病気として分類する方針というニュースが最近ありました。

スマホがいっときも手放せない人は、その予備軍もしくはすでに危険領域入り?

 

スマホの保有率、6年で7割超え

「ネトゲ廃人」とかいった言葉も生まれたネットゲーム依存ですが、

いまや世界規模で社会不安が増大しつつあるみたいですね。

最近、新聞などでWHO(世界保健機関)がネットゲーム依存症をあらたな疾病として「国際疾病分類」に加える見通しだと報じられました。

 

いまやパソコンやスマートフォンは誰でももっている時代といっていいし、

とくにスマホの保有率は年々上昇。

総務省の「平成29年版 情報通信白書」によると調査を始めた

2010年にはわずか9.7%だったのが、2016年には71.8%にも。

文字通り「釈迦も達磨も猫も杓子も」といった様相です。

 

実際、電車に乗れば、一様にスマホを手に何事かに夢中になっている人が前にも隣にも後ろにも……。

 

スマホ依存とネトゲ依存の関係は?

寝ても覚めても、歩いていても走っていても、

あげくは自転車、バイク、自動車に乗っているときでも手からスマホが離れることはない……

まさにスマホは体の一部といった人も多いでしょう。

 

ある調査によると、スマホ利用者の中には、

1日3時間以上利用している人が4割いて、なかには7時間以上も利用する人が

1割いたということです。

さらにスマートフォン利用者の約8割がスマホ依存を自覚しているということです。 

こうしたスマホの普及に伴うスマホ依存とネットゲーム依存は表裏一体、深い関係にある……

そんな感じがするのですが、どうでしょう?

 

WHOによるとあらたに加えられる疾病は、

ネットゲーム依存症という名称ではなく「ゲーム障害」ということらしいです。

ゲームへの衝動が抑えられない、日常生活の何よりもゲームを優先する、健康を損なってもゲームを

続けるといったことが12か月続き、社会生活や勉強、仕事、家族との生活に支障が起きている場合、「ゲーム障害」と診断できるとしています。

 

ゲーム関連企業からWHOに反論?

ネットゲーム依存症はスマホ依存の人にとって「いまそこにある危機」といっていいかもしれませんね。

それにしても「ネトゲ廃人」とは、なんとも怖い言葉ですね。

ネットゲームに夢中になるあまり廃人同様になってしまうなんて、考えただけでゾッとします。

 

……とそんな矢先、ゲーム関連企業の業界団体がWHOに異議を唱え、

反対声明を出したという報道が……。  

曰く「ビデオゲームに中毒作用はない」「うつ病などの精神疾患がささいなものと位置づけられてしまう」云々……。

「将来の夢はゲーマー」といった、子どものあこがれの職業でもあるゲームですが、

果たしてWHOの方針の行方は何処へ……?

 

<参考資料>

*「ネットゲーム依存『疾病』」(東京新聞)

 

<参考URL>

*「平成29年版 情報通信白書」(総務省)

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h29.html

 

*「スマホ依存、8割が自覚」(YOMIURI ONLINE)

http://www.yomiuri.co.jp/it/security/goshinjyutsu/20150515-OYT8T50136.html

 

*「ネットゲーム依存症、業界団体が反対声明 WHOに異議」(朝日新聞デジタル)

http://www.asahi.com/topics/word/ネット依存症.html

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。