
長生きしたけりゃ女医さんに診てもらえ?
「女性医師の診察で患者は長生き?」新聞やテレビで取り上げられた話題なので、ご存知の方も多いかと思います。「女性のお医者さんに診療してもらうほうが、男性のお医者さんに診てもらうより長生きできる」というのですから、本当なら驚きです。とても無視できる内容ではありません。果たしてそんなことって実際にあるのでしょうか?
男性医師と女性医師では年間の死亡率に差が?
「お医者さんの性別によって患者の死亡率や再入院率に差がある?」そんなニュースにふれて驚いた方も多いでしょう。
「じゃ、これからは女医さんに診てもらおう」などと思った方もいるかもしれません。
ニュースを知らなかったり忘れてしまった人のために、ざっと説明しますと……アメリカ・ハーバード大学が2011〜14年にかけて、肺炎などで内科医の治療を受けた65歳以上の患者の診療結果を分析したところ、担当医の性別によって死亡率と再入院率に差があったというのです。
研究によると、入院から30日以内の死亡率は、担当師が男性の場合、11.5パーセント、女性医師の場合、11.1パーセントだったといいます。
「わずか0.4パーセントじゃないか」というなかれ。全患者の担当医が女性だったとしたら、30日以内に亡くなる患者は年間約32,000人も減らせるというのです。
研究グループによると、この0.4パーセントは「統計的に無視できない差」だそうです。確かに年間に32,000人もの患者が亡くなるか亡くならないかは大きいですね。
退院後30以内に再入院する割合についても、担当医が女性の場合は15パーセントだったのに対し、男性医師の場合は、15.6パーセントで0.6パーセントの差があったということです。
その理由について研究グループは、患者への対応に男性医師と女性医師でわずかに異なるとしています。つまり「女性医師のほうが診療ガイドライン(診療指針)に忠実で、患者とのコミュニケーション能力にすぐれ、他の専門医への相談にも積極的」な傾向があるらしいのです。
「分からない」ことは人に聞く女性、恥ずかしいと思う男性?
男性と女性のものごとへの対応のちがいはよく感じますよね。
たとえば、旅行で知らない町に行き目的地が分からなかったり道に迷ったりしたとき、また、スーパーで売り場がわからないときどうするかで男女差があります。
男性は自力でなんとか解決しようとするのに対して、女性は、「どう行けばいいですか?」とか「○○はどこに売っていますか?」など、見知らぬ人に尋ねることにほとんど抵抗感をもちません。
一方男性は、誰にも聞かずにひとりで何とか目的のものを見つけようとがんばってしまいます。自力で解決したい、あるいは、知らない人に道を聞いたりするのは「恥ずかしい」と思っているのかもしれません。
また、昔から「女3人寄れば、かしましい」いったりしますが、もともと女性はおしゃべりなのかもしれません。女性にとっておしゃべりは情報交換の道具であり重要なコミュニケーションツールだからです。
職場でも、女性はいわれたことに真面目にコツコツと取り組んでいるように感じます。学校の勉強でも女性は真面目に授業を聞き、成績も上位であることが多いです。
女性はこうして日ごろから、真面目に問題に取り組み、分からないことは人に聞き、おしゃべりをしてコミュニケーション力をアップさせているのかもしれません。
そんなわけで、もし病気になったら「女性の医師に診てもらうことにしよう」と、あなたが思ったとしても無理はありません。
でも日本では内科医の男女比は4対1で圧倒的の男社会だそうですから、女医さんに診てほしいと希望しても、かなえられるかどうかはむずかしいでしょう。
むしろ、お医者さんは男性か女性かというより、やっぱり自分との「相性」が大切なような気がしないでもないのですが・・。どう思います?
<参考URL>
*「読売オンライン・ヨミドクター」(読売新聞社)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170105-OYTET50030/
*「CHUNICHI WEB・オピ・リーナ」(中日新聞社)
http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20170201-3.html