トクホを信じる先にある「危険」
いまではすっかり定着した「トクホ」「機能性表示食品」といった商品の数々。そこにうたわれる「血糖値を下げる」とか「脂肪の吸収をおさえる」といったキャッチフレーズはほんとうなのでしょうか? 期待のし過ぎではないでしょうか?「トクホ」の効果を期待するあまり陥ってしまう危うさとは・・?
「トクホ」の効果を妄信した先にある危なっかしさ・・?
スーパーやコンビニの飲料トクホ飲料水のコーナーにいくと、「脂肪の吸収をおさえる」「糖の吸収をおさえる」「血糖値が気になりだしたら」といった宣伝文句とともに売り出された飲み物がいくつもならんでいます。
「トクホ(特保=特定保健用食品)」とか「機能性表示食品」などと呼ばれる商品です。これらの呼び名もいまではすっかりおなじみになりました。毎日、欠かさず飲んでいるといった人も少なからずいるのではないでしょうか。
飲むだけで「糖の吸収がおさえられる」(=やせられる?)、「血糖値が下がる」(=糖尿病が治る?)、「脂肪の吸収がおさえられる」(=体重が減る?)なら超便利で超楽ちん……というように自分なりに解釈して飲んでいる人も多いようです。
でも、そんな都合のいい飲み物がほんとうにあるのでしょうか?
注意したいのは、「トクホ」の商品にうたわれている「効果」です。それは、飲んだ人が「期待できる効果」ではなく、「効果がもたらされるしくみの説明」だということです。
たしかに体脂肪が減ったり、血糖値がおさえられたりするようですが、だからといって「やせられる」効果まで期待するのは、利用する人の勝手な解釈であって、それを飲むことでやせることまで保証するものではないというのです。
そんな誤解があるからでしょうか、自分は「トクホ」の飲料を毎日飲んでいるから大丈夫とばかりに、ステーキや焼肉、ラーメンやカレーなど、ガッツリ系の食事を毎日のように食べている人もいます。
そんな人でも食事の際に飲めば、少しは脂肪の上昇をおさえることはできるかもしれませんが、飲むメリットよりも、トクホの効果を信じ込んで乱れた食生活を送ってしまうというデメリットのほうが大きいといえます。
「トクホ」を飲むより食生活の改善が先?
「トクホ」を飲んでいるから血糖値も脂肪も大丈夫、問題ないと、その効果を過信して乱れた食生活を続けていれば、まちがいなくメタボまっしぐらな人生を突っ走ることになるでしょう。まして「トクホ」を医薬品と勘違いして、薬と同じ効果を期待しても無理。飲んで病気が治るわけではありません。
「トクホ」はあくまでも食生活を補助する「お助けマン」として利用するのがいいようです。血糖や脂肪をコントロールするためには、やっぱり毎日の食生活が基本。もう耳タコ、聞き飽きたことですが、どうしてもそこに行き着きます。
でも、もしかして自分の食生活のやましさを隠蔽するために「トクホ」を愛飲している人がいるかもしれません。「トクホ」を脂っこいものを食べる口実にしたり、乱れた食生活のいいわけにしているとか・・。
「食べる前に飲んだし、よーし、今日はガッツリ食うぞー!」
・・・みたいな人、あなたのまわりにいませんか?
<参考URL>
*「トクホは本当に『脂肪の吸収を抑える』のか」(朝日新聞デジタル)
http://www.asahi.com/articles/SDI201603292568.html