
あなたの親は大丈夫?親元に帰ったら、チェックしたい認知症サイン
年末年始は、実家で過ごしたり、故郷に帰る人も多いのではないでしょうか? 久しぶり に帰る実家ですが、「あれ? きれい好きな母なのに、家の中が薄汚れている」「身だしなみに構わなくなった」――こんな違和感を覚えたら要注意。以前には なかった親の変化は、老化や身体的な衰えが原因のこともありますが、もしかしたら認知症のはじまりかもしれません。
65歳以上の高齢者にとって認知症は身近な病気
超高齢化社会の到来とともに、最近何かと話題になることが多くなった認知症。認知症患者による自動車暴走事故なども年々増えて深刻な社会問題になっています。
「まさかうちの親は、大丈夫」と誰もが思いますが、実は認知症は親世代にはとても身近な病気のひとつ。厚生労働省研究班の発表によると、65歳以上の高齢者の4人に1人が「認知症」とその「予備群」である、と推計されています。
認知症の患者さんの割合をみていくと、2013年のデータでは65~69歳では2.9%ですが、年齢が5歳上がるごとに約2倍ずつ増えていき、とくに75歳からは認知症の割合が急激に高くなっていきます。
また、65歳未満で発症する場合を若年性認知症といいますが、若年性認知症では、50歳代に発症のピークがあります。
うちの親はしっかりしているから、あるいはまだ若いから大丈夫、と安心していませんか? 認知症は誰にでも起こりうる問題なのです。
老化による物忘れと、認知症とは、ここが違う
認知症は、簡単に言うと 脳の神経細胞が壊れて記憶や判断力などの障害が起こる病気。「覚えられない」「忘れてしまう」ために、日常生活が送れなくなってしまいます。年をとると、 誰でも物忘れが起こってきます。同じことをくどくど言ったり、「あのタレントさん、名前なんだっけ?」などというのはよくあること。初期の認知症は、記憶 障害が起こるといっても周囲は「少し物忘れがひどくなったかな?」くらいですませてしまい、なかなか認知症と気づきにくいのだそうです。
加齢で起こる物忘れと認知症との大きな違いは、加齢の場合はもの忘れを自覚していますが、認知症では物忘れをまったく自覚していないこと。また、体験したことの一部を忘れるのは老化現象ですが、認知症では体験したこと自体覚えていません。
たとえば、朝食は何を食べたの?と聞いたとき、何を食べたか思い出せないのは老化現象ですが、認知症では「朝食は食べていない」と答えます。
親の認知症のサインを要チェック
家族は、次のような症状で認知症に気づくことが多いようです。
- □ チェック同じことを何度も繰り返し聞く。
- □ 大事な約束をしょっちゅうう忘れる。
- □ 今日の日付があやふやになる
- □ 約束の時間を何回も聞いてくる
- □ カギや財布、メガネがない、など、しょっちゅう探し物をしている。
- □ ささいなことで怒りっぽくなる。
- □ ふさぎこむ。
- □ 身だしなみに構わなくなる。
- □ 冬に夏服を着たり、夏なのに何枚も着込むなど、季節感のない服を着る。
- □ 掃除ができなくなる
- □ 料理の味付けがおかしくなる。
- □ 冷蔵庫に期限切れの食品がいっぱい入っている。
- □ 冷蔵庫に同じ食品がたくさん入っている
いかがでしたか? 思い当たることがあれば、一度病院で詳しい検査を受けることをおすすめします。
次回は、認知症の対策編です。
<参考URL>
●政府広報オンライン「あしたの暮らしをわかりやすく」 http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/1.html
●厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス/認知症」
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.html
●公益法人 認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=3093