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寒くなると指先が真っ白に……「レイノー現象」かも?

冷たい外気や冷凍食品に触れた瞬間、指先がろうそくのように真っ白になり、しばらくして紫色から赤みを帯びて元に戻る……そんな経験はありませんか?「冷え性だから」と片付けがちですが、これは「レイノー現象」と呼ばれる、指の血管に起きる一時的な変化かもしれません。

 

今回は、冷え性との違いと、受診を考えたいサインについて紹介します。

 

色の変化が決め手|多くは心配のないタイプ

結論からいうと、寒さや緊張をきっかけに指先の色が白から紫、赤へとはっきり変わり、温めると元に戻るなら、レイノー現象の可能性が高いといえます。指先の細い動脈が発作的に縮んで血流が途絶え、その後に戻る現象です。色の変化は多くの場合数分から数十分で元に戻りますが、長さには個人差があります。

 

レイノー現象は全体の3〜5%程度にみられ、男性より女性に、高齢者より若い世代に多いとされています。そのうち8割以上は原因となる病気のない「原発性」で、重い病気につながることはほとんどありません。

 

ただし残りの1〜2割は、膠原病(こうげんびょう)などの病気の一部として現れる「続発性」です。

 

冷え性との違いは「冷たい」より「色の変化」

一般に「冷え性」と呼ばれる状態は手足が冷たい感覚が続くもので、皮膚の色がはっきり変わることはあまりありません。一方レイノー現象は、正常な部分との境界がくっきりした白や紫の変色が発作的に起こり、しびれや痛みを伴うのが特徴です。

 

変色は指の付け根より先に限られ、人さし指から薬指の中央3本に出やすく、親指に出ることはまれとされています。

 

似た症状に「しもやけ」がありますが、しもやけは手足の指などが赤く腫れてかゆみや痛みを伴う炎症です。温めれば多くは数十分程度で元に戻るレイノー現象とは経過が異なります。

 

原発性か続発性か……見分ける4つのサイン

原発性レイノー現象は若い女性に多く、40歳未満で始まる方が3分の2を占めます。発作は両手に対称で軽く、指先に傷や潰瘍(かいよう)ができることは通常ありません。

 

続発性の背景で最も多いのは、全身性強皮症(きょうひしょう)や混合性結合組織病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチなどの膠原病です。ほかにも甲状腺機能低下症、チェーンソーやグラインダーなど振動工具を長年使う仕事、一部の降圧薬や片頭痛薬、たばこのニコチンが原因や悪化要因になることがあります。

 

続発性を疑うサイン

・30歳以降に初めて症状が出た

・片手だけ、または左右で程度が大きく違う

・発作のたびに強い痛みがある

・指先に治りにくい傷や潰瘍ができる

 

一つでも当てはまれば、次に紹介する手のサインもあわせて確認してみましょう。

 

強皮症の8割はレイノー現象から!手のサインも確認

続発性の代表である全身性強皮症は、皮膚や内臓が硬くなる病気で、患者の80%以上がレイノー現象から始まります。男女比は1対12と報告されるほど女性に多く、30〜50歳代の発症が中心です。症状の軽いタイプでは、皮膚の硬化がはっきりする前にレイノー現象だけが10年以上続くこともあります。

 

混合性結合組織病でもほぼ全例にレイノー現象がみられ、初めの症状になることが多いとされています。

 

レイノー現象に加えてチェックしたい手のサイン

・爪の根元のあま皮に、黒い小さな出血点がある

・指が腫れぼったく、指輪が入りにくくなった

・朝起きたときに指がこわばる

・指先に治りにくい傷がある

 

特にあま皮の黒い点(爪上皮出血点)は強皮症を疑う重要な所見で、自分で確認できます。これがあれば強皮症の可能性が考えられるため、自己判断せず早めに受診し、血液検査で自己抗体を調べてもらいましょう。

 

受診の目安と、日常でできること

続発性を疑うサインや手のサインが一つでもあれば、内科や皮膚科、膠原病・リウマチ内科に相談しましょう。診察に加えて抗核抗体などの血液検査を行い、原因となる病気の可能性を調べます。発作中の指の写真を撮っておくと、診察時に症状が出ていなくても伝わりやすくなります。

 

原発性と分かった場合も、冷えで日常生活に支障があるなら我慢せず相談しましょう。血管を広げる薬が使われることがあります。

 

日常の基本は、手先だけでなく体全体を冷やさないことです。洗い物はお湯で行い、外出時は手袋やカイロを活用しましょう。たばこは血管を縮めて症状を悪化させるため、禁煙が勧められます。精神的な緊張やストレスも発作の引き金になるため、ためこまない工夫も役立ちます。

 

指先が白くなる症状は、「冷え性」と片付けずに色の変化と4つのサインで判断することが大切です。多くは心配のいらないものですが、当てはまるサインがあれば早めに専門医の診察を受けましょう。

 

<参考>

※「レイノー現象」(用語集/難病情報センター)

※「全身性強皮症(指定難病51)」「混合性結合組織病(指定難病52)」(病気の解説/難病情報センター)

※「全身性強皮症 Q8 血管障害とは何ですか?」「Q10 どんな症状ではじまるのですか?」(皮膚科Q&A/公益社団法人日本皮膚科学会)

※「レイノー症候群」(MSDマニュアル家庭版・プロフェッショナル版/MSD株式会社)

※「振動障害」(職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード/厚生労働省)

※「手指の変化注意~全身性硬化症(強皮症)」(東北大学医療系メディア LIFE/東北大学病院皮膚科)

 

プロフィール

医療ライター/登録販売者
岡本 美紗子

*調剤薬局で医療事務として15年間勤務し、処方箋やレセプトの業務、OTC医薬品の販売に携わる。

*2017年に登録販売者を取得。

*現在はWebライターとして、医療・健康・保険分野を中心に執筆。

*現場での経験を活かし、専門的な内容を日々の暮らしに役立つ形でわかりやすくご提供。