秋のくしゃみ・鼻水、風邪ではなく「花粉症」かも?
朝晩が涼しくなる9月、くしゃみや鼻水が止まらず「夏風邪かな?」と感じることはありませんか?実はこの時期、ブタクサやヨモギといった秋の花粉が飛散のピークを迎えます。今回は、意外と知られていない秋の花粉症について紹介します。
花粉症は春だけではありません
花粉症の原因といえばスギやヒノキが有名ですが、日本では50種類以上の花粉が花粉症を引き起こすと報告されています。
秋に主役となるのは、ブタクサやヨモギといったキク科の植物と、つる性の草であるカナムグラです。いずれも8~10月に花粉を飛ばし、9月から10月にかけて飛散数が多くなります。
ブタクサは道端や河原、ヨモギは市街地や堤防など、どれも身近な場所に生えている雑草です。名前は知らなくても、通勤路や散歩コースで毎日すれ違っているかもしれません。
花粉症の方は年々増えており、2019年の全国調査では有病率が42.5%と、およそ10年ごとに10%ずつ増加しています。これまで花粉症と無縁だった方が、秋に初めて発症するケースもあります。
風邪との見分け方は「目のかゆみ」と「熱」
秋の花粉症は、くしゃみや鼻水など風邪の初期症状とよく似ています。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期でもあり、「風邪が長引いている」と思い込んでしまう方も少なくありません。
見分ける代表的なポイントは2つあります。花粉症は目のかゆみを伴うことが多く、風邪と違って熱が高くなることはないとされています。
鼻水の様子も手がかりの一つです。花粉症の鼻水は水のようにサラサラしており、繰り返すくしゃみや鼻づまりとあわせて起こるのが典型的です。
また、毎年決まった時期に同じ症状が出るなら、花粉症の可能性が高まります。「秋になるといつも鼻の調子が悪い」という方は、一度この時期の花粉を疑ってみましょう。
秋の花粉は遠くまで飛びにくい
スギやヒノキの花粉が風に乗って遠くまで運ばれるのに対し、ブタクサやヨモギなどの草の花粉は飛散距離が短く、生えている場所の周辺でしか飛ばないのが特徴です。
つまり、発生源に近づかなければ、花粉に触れる機会を減らせます。春のスギ花粉のように「どこにいても飛んでくる」相手ではない分、避ける対策が取りやすいといえます。
河川敷や草むらの多い公園を散歩やジョギングで通る方は、この時期だけコースを見直してみましょう。ブタクサの花粉は午前中に飛散するとされているため、時間帯を工夫するのも有効です。
今日からできる秋の花粉症対策
対策の基本は「花粉に近づかない・持ち込まない」ことです。
(1)発生源を避ける
花粉の時期は、草が生い茂った空き地や河原にはできるだけ近づかないようにしましょう。自宅の周りにブタクサなどが生えている場合は、つぼみを付ける前に除草しておくと予防につながるとされています。
(2)身に着けるもので防ぐ
外出時はマスクとメガネで、目や鼻に入る花粉を減らしましょう。衣類はウールなど花粉が付着しやすい素材を避け、表面がつるつるした上着を選ぶと、持ち帰る花粉を減らせます。
(3)家に持ち込まない
帰宅時は玄関前で衣類に付いた花粉を払い、うがいと洗顔で顔やのどに残った花粉を落としましょう。換気をするときは窓を10cm程度に小さく開け、レースのカーテンを引くと、入り込む花粉を減らせます。
(4)体の調子を整える
睡眠を十分にとり、規則正しい生活を送ることは、正常な免疫機能を保つうえで大切です。たばこや過度の飲酒は鼻の粘膜に負担をかけるため、症状が気になる時期は控えめにしましょう。
毎年秋につらくなる方は早めの相談を
花粉症の薬は、症状が本格化してからより、軽いうちに使い始めるほうが悪化を抑えやすいことが知られています。
つらい症状を「季節のせい」と我慢せず、耳鼻咽喉科やアレルギー科などへ相談しましょう。検査でどの花粉に反応しているかが分かれば、翌年からは飛散の時期に合わせて早めに備えられます。
秋の花粉は、正体が分かれば対策を立てやすい相手です。上手に付き合いながら、行楽の季節を気持ちよく過ごしましょう。
<参考>
※「花粉の種類と説明」(東京都の花粉情報・東京都アレルギー情報navi./東京都保健医療局)
※「花粉症環境保健マニュアル2022」(環境省)
※「花粉症」(アレルギーポータル/一般社団法人日本アレルギー学会)
※「花粉症で悩む皆さま!早めの治療や予防行動を!」(政府広報オンライン/内閣府政府広報室)
※「気をつけたい秋の花粉症」(かんろうメディカル通信/関西ろうさい病院・労働者健康安全機構)

