
なぜ「まばたき」をするのでしょうか?
自分の意識とは関係なく何度となくパチパチとしている「まばたき」ですが、なぜ、そうしているのか、ふだん、あまり考えることはないと思います。
まばたきにはどんな理由や意味があるのでしょうか?
「まばたき」は1分間に約20回
自分は「まばたき」を1分間にどのくらいしているのか……?
そもそもまばたきするのは無意識だし、あまりにも自然で当たり前すぎて、深く考えたり、その回数を数えることはほとんどないと思います。
まばたきは漢字で「瞬き」と書くように、その「パチッ」は、まさに一瞬です。1パチは0.3秒ともいいます。ヒトはそれを1分間で約20回するそうです。
3秒に1回、1時間で約1,200回もまばたきをしている計算になります。
起きている時間の10%は、まばたきで目を閉じているともいわれます。
1日の3分の2は起きていると仮定すれば、トータルで約1時間半は、まぶたを閉じた暗い中にいることになります。
夜、まぶたが重くなるのは、昼間、懸命に働いたまぶたが休息を訴えているのかも……?
まばたきによる涙で目の健康を維持?
そんなまばたきですが、3つに分類されるそうです。
まず、目にゴミが入ったときや光、音、風などの刺激がきっかけになって起こるまばたき(反射性瞬目・しゅんもく)、そしてウインクなど、意識的にまぶたを閉じるまばたき(随意性瞬目)、3つめは特に要因がなく自然に無意識に行うまばたき(自発性瞬目)です。
私たちがふだん行っているまばたきのほとんどは、無意識に行う自発性瞬目で、主に眼球を涙で潤すためと考えられています。涙は涙腺から常に分泌されていて、まばたきによって目の表面(角膜)に涙を行き渡らせています。
涙は角膜に酸素や栄養を供給するほか、涙の中には抗菌効果のある物質も含まれていて、目の表面が乾くことで細菌感染を起こしたり角膜が傷つきやすくなるのを防いでいるといいます。
まばたきが増えるとき、減るとき?
まばたきの回数には個人差や状況により違いがあるといいます。
パソコンやスマートフォンを使っていると画面を長時間ジッと見続け、まばたきの回数が減ってしまうことがあります。
ほかにもゲームに夢中になっているときや車の運転をしているとき、強い興味や関心を引くものを見つけたときなどは、まばたきが少なくなるといいます。
逆に、眠いのに無理に起きていようとするときや、緊張しているときは、まばたきは増える傾向があるともいいます。
退屈しているときや怒っているときなどにもまばたきが増えるといわれます。
このように、まばたきの増減と心理状態には関係があるともいわれているようです。
また、最近まばたきは目の表面を潤す以外に、脳の休息と集中力、情報処理に関わっていることも分かってきたといいます。
じつは目を潤すだけなら、まばたきは1分間に3回だけでいいそうです。
なのに個人差はあれ1分間に約20回も……まばたきの不思議です。
涙の成分、ただの水じゃない?
ところで涙を「ただの水」と思っている方は多いのでは?
涙の成分は何でしょう?
「血液」だそうです。でも赤くないですよね。
まぶたの周りの毛細血管から出てくる血液成分のうち、赤血球や白血球、血小板などの血球が、涙のつくられる涙腺が関所となって通れないからだそうです。
涙が水のように見えるのは、血液の中の血しょうという水みたいなサラサラした液体成分がにじみでたものだそうです。
涙の原料は血液ですが、涙が赤くないのは、赤い色の素となっている赤血球(ヘモグロビン)が涙腺を通れず涙には含まれていないからで、涙は「透明な血液」ともいわれます。
ちなみに涙は1日に平均で2~3mlが涙腺でつくられているそうです。
<参考>
*「脳のリセット効果も!まばたきが担う意外な働き/サワイ健康推進課」(沢井製薬株式会社)
*「脳の情報処理とまばたきの関係を見る」(JT生命誌研究館)
*「顔に取り憑かれた脳(中野珠美・著)」(講談社ブルーバックス)
*「なぜ人は感動すると涙が出るのか?」(大塚製薬株式会社)
*「なみだ目(大人)」(京都府立医科大学附属病院眼科)