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今日からできる便秘対策

便秘は女性に多いトラブル。 

でも「たかが便秘」とあなどっていると、ますます便秘がひどくなったり、強くいきむことによって痔になってしまうことも。 

今回は、慢性的な便秘を断ち切るための対策をご紹介します。 

 

便秘解消8つのポイント 

 便秘がつらくて、便秘薬に毎日頼っているという人も多いかもしれません。 
けれども便秘薬を飲みすぎるとかえって便秘を悪化させることもあるようです。 

便秘薬ではあくまでも一時的な便秘解消の手段。根本的な解消は、生活習慣の改善にあるといわれています。 

具体的にどのような点に気を付ければよいのでしょうか? 

順にみていきましょう。 

 

  1. (1)こまめに水を飲む 

 朝起きたら、まずコップ1杯の水(常温)を飲むことを習慣にしましょう。 

起き抜けに水を飲むと胃から腸に刺激が伝わり、スムーズな便通へと導いてくれるといいます。 

 水分が不足していると便が硬くなるので、1日を通してこまめな水分補給も心がけましょう。 

 また、マグネシウムには体内で水分を集めて便を柔らかくする効果があるといわれています。ミネラルウォーターを選ぶならマグネシウムを多く含む硬水がおすすめです。 
 

(2)朝食をとる習慣を 

 朝食をとることで、腸が目覚めて動き始めます。朝食をとる習慣がない人は、バナナやヨーグルトなどから始めてみてはいかがでしょう。 

 

  1. (3)排便のタイミングを逃さない 

 何かと慌ただしい朝ですが、便意を感じたらがまんは禁物です。 

少し早起きをしてゆっくりトイレタイムをもちましょう。 

なお便意がないのにトイレでがんばっていると痔の原因になるといわれています。トイレには便意を感じてから行きましょう。 

 

(4)排便時は前かがみの姿勢で 

 排便時は足元に足台を置いて足を乗せ、膝を深く曲げて前かがみの姿勢をとると、直腸と肛門がまっすぐになって便が出やすくなるそうです。 

トイレでいきむ時間も短くなるといわれています。 

 

(5)温水洗浄便座の使い方に注意 

 便秘の解消のために温水洗浄便座の温水を浣腸のように使う人がいます。 

しかしこのようなことを行っていると肛門の神経が鈍って、便秘がよけいに悪化するといわれているので要注意。また便もれのような症状も引きおこすことがあるそうです。 

 温水洗浄便座の温水は、あくまでも汚れを洗い流す機能であることを忘れずに。水圧は一番弱くして、水温は低めに。 

洗浄時間については「5~6秒以内で」「10秒以内で」など諸説あるようですが、いずれにしても短めにきりあげたほうがよいようです。 

 

(6)軽い筋トレストレッチをしよう 

 ストレスや筋力の低下で便秘になっていることも。 

手のひらでお腹に「の」の字を書くように時計回りに圧をかけながらゆっくりマッサージをしたり、ストレッチや腹筋などの運動を軽く行って、腸の働きをよくしましょう。 

 

(7)生活リズムを正しく 

腸の蠕動(ぜんどう)運動は、自律神経の副交感神経が優位で体がリラックスしているときに起こります。 

生活時間が不規則だったりストレスがたまると便秘になりやすくなります。生活リズムを整えて睡眠時間を確保し、自分なりのリラックスタイムを持ちましょう。 

 

(8)食物繊維や発酵食品を積極的に 

 朝、昼、夜の3食をきちんと食べて、海藻やキノコ、豆、野菜類を意識的に食卓にのぼらせましょう。 

また、味噌や納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的にとって腸内環境を整えることも大事です。 

 

便秘対策に有効な8つのポイントをあげました。 

1つだけではなく、いくつかの対策を合わせて行うことがポイントです。 

すぐにできそうなことから実践して、すっきり快便をめざしましょう! 

 

<参考> 

※『ウィメンズ・メディカ』(小学館) 

※『きょうの健康』(2023年7月号 NHK出版) 

※「徳島県医師会の健康相談 便秘」(徳島県医師会) 

※『わかりやすい病気のおはなしシリーズ49 便秘』(日本臨床内科医会) 

※「トイレナビ」(日本レストルーム工業会) 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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