そもそも健康食品ってどんなもの?
健康志向の高まりもあってか健康効果やダイエット効果などをうたった様々な「健康食品」が販売されています。
定期的に購入、利用している人も多くいるようです。
そんな人気の健康食品、どんなものなのでしょう?
3人に1人が健康食品を利用
テレビや新聞、ネットなどで広告を目にすることが多い健康効果などをアピールする「健康食品」ですが、どのくらいの人が利用しているのでしょう?
厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、サプリメントをはじめとする健康食品を食べたり飲んだりしている人(20歳以上)の割合は、男性が30.2%、女性38.2%でした。
3人に1人が毎日、何らかの健康食品を利用していることになります。
過去に利用した経験がある人を含めると約8割にもなるそうです。
利用する割合は年齢が上がっていくに連れて高くなり、年代別でみると男女ともに60歳代がもっとも高く、男性34.1%、女性41.1%でした。
逆に利用する割合がもっとも低いのは男女ともに20歳代で、男性19.9%、女性28.8%でした。
健康食品とサプリメントは違う?
健康食品やサプリメントの利用目的のトップは男女ともに「健康の保持・増進」で、全体の70%を超えています。
他にビタミンやミネラルなどの栄養補給、疲労回復、ダイエット、病気の予防などがあげられています。
今ではすっかりおなじみのサプリメントや健康食品という言葉ですが、そもそもどんなものなのでしょうか?
厚生労働省によれば法律上の定義はないそうですが、一般に健康食品は「健康の維持増進に資する食品全般」であり、サプリメントとは「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」と考えられているそうです。
そんなことからサプリメントと健康食品は別のものと考えられがちですが、広い意味でいえば、どちらも健康によいということをうたう食品ということでは健康食品の1つと考えていいようです。
「保健機能食品」と「いわゆる健康食品」
ただ、健康食品には、「保健機能食品」という制度によって、国が安全性と効果の基準などを定めて、保健効果や健康効果などの機能表示ができるものと、健康効果などの機能表示が認められていない「いわゆる健康食品」と呼ばれるものの2つに分けられます。
「保健機能食品」には「特定保健用食品」(通称トクホ)、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」の3種類があります。
機能表示ができない「いわゆる健康食品」と呼ばれるものの中には「栄養補助食品」「健康補助食品」など「保健機能食品」と似た名称があります。
こうした紛らわしい名称の食品やサプリメント、自然食品などは「保健機能食品以外の健康食品」になるために機能性を表示できないとされています(サプリメントの中でもビタミンやミネラルなど、国が定めた規格基準を満たしているものは栄養機能食品と表示=厚労省「保健効果や健康効果を期待させる製品」一覧表より)。
たくさん摂っても「安全」?
健康食品の明確な定義がないため人によってその認識は様々。
健康食品の範囲は、例えば飲料やお菓子、野菜などの普通の食材はもちろん、錠剤やカプセル、粉末など形態が医薬品と似たようなものまで多岐に渡ります。
なかには病気の治療を目的に健康食品やサプリメントを利用している人も少なからずいるようです。
さらに最近はサプリメントや健康食品の利用の低年齢化が進み、国立健康・栄養研究所の調査によると幼児の15%がサプリメントを利用しているということです。
健康によいからといって過剰に摂取すれば逆の結果を招きかねません。
内閣府の食品安全委員会は健康食品との付き合い方をまとめた報告書の中で、「『食品』でも安全とは限りません。
『食品』だからたくさん摂っても大丈夫と考えてはいけません」……など「19のメッセージ」を掲載しています。
健康食品を知るための参考にしてみてはいかがでしょう。
<参考>
*「正しく知ろう、健康食品」(東京くらしねっとNo.232/東京都消費生活総合センター)
*「令和元年 国民健康・栄養調査」(厚生労働省)
*「健康食品の正しい利用術」(厚生労働省 医薬・生活衛生局)
*「いわゆる『健康食品』について」(内閣府 食品安全委員会)
https://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.data/kenkosyokuhin_pamphlet.pdf